60歳以上現役社長の老齢厚生年金受給・役員報酬最適化なら滋賀県大津市の労務財務の専門家・FP奥野文夫事務所にお任せください!
中小企業社長さまの老齢厚生年金・社会保険等に関するお悩みを解決します。
FP奥野文夫事務所
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【回答】
毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」の見方を間違えて、このような勘違いをしておられる方が多いです。
しかし、60歳代前半の「特別支給の老齢厚生年金」の請求手続きを行うか行わないかは、65歳からの老齢厚生年金や老齢基礎年金の年金額とは全く関係がありません。
・50歳以上の方(59歳を除く)に届く「ねんきん定期便」
・59歳の方に届く「ねんきん定期便」
どちらのねんきん定期便でも、一番右側に「65歳~」として、65歳以降の年金見込額(1年間の受取見込額)が記載されています。
65歳からの老齢年金ですから、老齢基礎年金と老齢厚生年金との年金見込額の合計が記載されています。
その左側には、60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金の年金額が記載されています。
例えば、平成29年度に特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢を迎える男性の方の場合であれば、62歳から特別支給の老齢厚生年金として「報酬比例部分」の年金額のみをもらう権利が発生し、「定額部分」の年金はありません。
ですから、「ねんきん定期便」でも、65歳までの年金額合計に比べて、65歳以降の年金額の方が合計額が多く表示されています。
この表示を見て、
1.62歳から年金をもらい始めるか
2.65歳から年金をもらいはじめるか
を選択でき、2を選択した方が年金額が増えるのでトクだと誤解する方が多いです。
「ねんきん定期便」の65歳前の特別支給の老齢厚生年金と、65歳からの老齢基礎年金・老齢厚生年金とはそれぞれ別の年金です。
60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金を請求しないで放置しても、そのことによって65歳以降の年金額は一切増えませんので、ご注意ください。
【回答】
これも、毎月とても多くの方からいただく質問です。
長年厚生年金保険料を払い込んできて、ようやく60歳、61歳、62歳で、生年月日・性別に応じた特別支給の老齢厚生年金をもらえる年齢に達した方の多くがお感じになる疑問ですね。
年金をもらう年齢になったらもう年金保険料は支払わなくてもよい、と漠然と考えておられたところ、引き続き厚生年金保険料が毎月振替られていることに気付いて、ご質問いただくことが多いわけです。
自営業者が加入する国民年金は、20歳から60歳までが強制加入で、老齢基礎年金は65歳から支給開始です。
一方、法人の役員・従業員等が加入する厚生年金保険では、70歳未満の人が強制加入とな
っています。
ですから、60歳以上70歳未満の厚生年金被保険者の場合、厚生年金保険料を支払う立場と特別支給の老齢厚生年金(65歳未満の場合)や老齢厚生年金(65歳以降の場合)をもらう立場と、二つの立場を同一人が兼ねることとなります。
したがって、老齢年金を受給できる年齢に到達しても、代表取締役や取締役等常勤役員さんや常勤従業員さんの場合、引き続き厚生年金適用事業所で働き続ける限り、70歳まで厚生年金保険料を負担する必要があります。
(特別支給の老齢厚生年金や老齢厚生年金がずっと全額支給停止となる方であっても、厚生年金保険料は毎月かかります。)
なお、代表取締役や取締役等常勤役員さんや常勤従業員さんが70歳になると、引き続き厚生年金適用事業所で働いていてももう厚生年金保険の「被保険者」とではなくなりますので、
厚生年金保険料は(会社負担分・本人負担分とも)かからなくなります。
しかし、70歳以降も引き続き報酬・賞与と年金額との調整のしくみ(在職老齢年金)が適用される「70歳以上被用者」には該当しますので、ご注意ください。
【回答】
特別支給の老齢厚生年金がもらえる年齢になっても、経営者の場合報酬が高い方が多いですから、ほとんどすべての方が年金全額支給停止となっています。
現在の報酬額で現役社長・役員等として働いていると、何歳になっても年金がカットされるのに70歳までは高額の厚生年金保険料を毎月負担する必要があります。
そのことに初めて気付いた経営者様から多くいただくのがこの質問です。
今払っている年金は、後でなんらかの形で帰ってくるのか、それとも全くの掛け捨てとなる無断な保険料なのか知りたい、という質問ですね。
特別支給の老齢厚生年金の年金額は厚生年金の被保険者期間に応じて計算されます。
特別支給の老齢厚生年金のうち報酬比例部分の年金額には、被保険者期間の各月に受けた報酬額も(平成15年4月以降に受けた賞与額も)反映します。
特別支給の老齢厚生年金の年金は、受給権が発生した月(支給開始年齢に到達した月)の翌月分から受給できるようになりますが、受給権が発生した月以降の被保険者期間は、退職して1月経過して退職時改定が行われる時を除いて、特別支給の老齢厚生年金の額には反映しません。
しかし、65歳になると、特別支給の老齢厚生年金をもらう権利はなくなり、代わって老齢厚生年金(と老齢基礎年金)がもらえるようになります。
65歳からの老齢厚生年金(報酬比例部分)の年金額には、特別支給の老齢厚生年金の受給権が発生した月以降も含めた厚生年金被保険者期間、被保険者期間に受けた各月の報酬額が(平成15年4月以降に受けた賞与額も)反映します。
ですから、60歳代前半において支払った厚生年金保険料は掛け捨てになるわけではありません。
ただし、報酬が高いため65歳以降も老齢厚生年金(報酬比例部分)が実際には全額支給停止となっている方が経営者層には多いため、支払った保険料が掛け捨てになっている感を抱く方が多いようです。
老齢厚生年金(報酬比例部分)は、受給権が発生した月(通常は65歳到達月)の翌月分から発生しますが、65歳到達月以降の被保険者期間は、退職して1月経過して退職時改定が行われるときか、70歳到達月の翌月の年金額改定時に年金額に反映します。
ですから、60歳代後半で支払った厚生年金保険料も掛け捨てになるわけではありません。
ただし、報酬が高いため70歳以降も老齢厚生年金(報酬比例部分)が実際には全額支給停止となっている方の場合は、支払った保険料が掛け捨てになっている感を抱く方が多いようです。
なお、20歳以上60歳未満の間に厚生年金保険に加入した期間は、65歳からの老齢基礎年金の額に反映します。
20歳以上60歳未満の40年間に国民年金、厚生年金等何らかの公的年金にずっと加入してきた人なら、65歳から満額の老齢基礎年金を受給できます。(平成29年度の場合、満額の老齢基礎年金は779,300円。)
20歳から60歳までの公的年金加入期間だけでは、満額の老齢基礎年金をもらえない人で、20歳未満や60歳以降に厚生年金保険に加入した期間がある場合は、差額加算(経過的加算部分・経過的加算額)という形で、65歳からの老齢厚生年金に一定の範囲内で反映します。
【回答】
この質問もとても多いです。
高額報酬の方の年金に関する勘違いの中で、最も重大な勘違いと言ってよいでしょう。
60歳代前半の方にも、60歳代後半以降の方にもたいへん多くみられる誤解です。
年金の「支給停止」という言葉が、一般の方にはわかりにくいのだろうなと思っています。
「支給停止」されていたものが、勇退するか、ある年齢に到達したら、支給停止が解除されれてさかのぼってもらえる筈と思い込んでおられる方が多いです。
報酬が高いため特別支給の老齢厚生年金や老齢厚生年金が支給停止となっている人でも、厚生年金適用事業所で代表取締役や取締役等として報酬を受けて働いていると、70歳までは厚生年金保険料を毎月負担されていますから、支給停止されている年金を後からさかのぼって受けられると勘違いしても、やむを得ない感じもします。
私(奥野)自身、全国の現役社長・役員の皆様に正しい情報をなんとしても伝えたいと最も実感しているのが、この誤解についてです。
ホームページ、ブログ、YouTube動画、Facebookページ、メールマガジン等で、毎月大量に情報を提供しても、この点については、誤解をしている経営者からの相談が絶えることがありません。
現在支給停止となっている特別支給の老齢厚生年金や老齢厚生年金を後から受けることは絶対にできません。
その意味で、支給停止の年金は、復活することのない年金といえます。
また、年金の支給停止は、年金の支給繰下げとは違いますから、年金額が増えることもありません。
60歳代前半の老齢厚生年金支給停止について誤解している経営者も多いですが、60歳代後半の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給停止について誤解している経営者も多いです。
特に、65歳以降の経営者で老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給停止と年金の支給繰下げとの関係について、正しく理解している経営者には、個人的にはほとんどお目にかかったことがありません。
特別支給の老齢厚生年金の請求手続きを行ったものの、報酬が高いためずっと全額支給停止だった経営者の元に、65歳からの老齢基礎年金・老齢厚生年金の請求書(はがき形式)が届いて、どのように記載して返送すればよいかわからないまま返送期限(65歳到達月の末日)近くになってご相談いただくことが多いです。
60歳台前半においても、60歳代後半においても、70歳以降においても、報酬・賞与との調整によって年金が支給停止となっている方が今後の年金支給停止を回避するには、報酬設定を変更するか、退職する等で適法に厚生年金保険の被保険者でなくなるかしか、方法はありません。
報酬設定を変更して年金支給停止を回避する方法としては、次の二つがあります。
1. 役員報酬の年間総額を引き下げる
2. 役員報酬の年間総額は引き下げないで、役員報酬の設定を変更する。(年金復活プラン)
【回答】
この質問は、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢を迎えた男性の方からいただくことが増えている質問です。
例えば、62歳から特別支給の老齢厚生年金をもらえる方の場合、62歳から特別支給の老齢厚生年金をもらう以外に、60歳や61歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を繰上げ受給することもできます。
繰り上げした老齢基礎年金は、原則通り65歳から老齢基礎年金を受ける場合と同様、報酬・賞与との調整のしくみ(在職老齢年金)の対象外ですから、高額報酬の経営者であっても全額受給できます。(ただし、老齢基礎年金を60カ月繰り上げた場合、65歳から受ける場合と比べて、30%減額された年金を一生涯受けることとなってしまいます。)
一方、老齢厚生年金の方は、繰上げしても、報酬・賞与との調整のしくみ(在職老齢年金)の対象となります。
このような質問が出てくるようになったのは、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分のみの年金)が61歳以降からしかもらえない人(平成28年4月2日以降生まれの男性の方)が60歳を迎えたときからです。
当初は、高額報酬を受けている経営者がなぜ繰上げを検討されているのか、よく理解できませんでした。
しかし、このような質問を高額報酬の経営者から受け続けるうち、この質問をされる経営者は、60歳代前半の在職老齢年金の計算式における基準額(28万円)のことが強く念頭にあるようだと、気付きました。
・年金の月額(基本月額)と報酬・賞与の月額換算額(総報酬月額相当額)とを合計して、28万円以下なら年金は全額受け取れる。
・それらの合計が28万円を超えたら、超えた分の2分の1だけ年金月額がカットされる。
このことを知った方の中に、なぜか次のように考える方がおられるのですね。
・年金を受け取るために、報酬月額を引き下げよう。
・とはいえ、少しでも報酬月額の引き下げ幅を少なくしたい。
・繰上げると特別支給の老齢厚生年金は減額される。
・特別支給の老齢厚生年金を繰り上げることによって、少しでも報酬月額の引き下げ幅を減らすことができる。
「28万円」という数字だけが頭の中にあって、がんじがらめになってしまっている感じですね。
この世代の方の繰上げは、65歳からの老齢基礎年金・老齢厚生年金をともに繰上げることとなる点にも注意が必要でしょう。
【回答】
65歳以降の老齢厚生年金(報酬比例部分)には、会社(厚生年金適用事業所)から厚生年金被保険者または70歳以上被用者として受ける報酬・賞与との調整のしくみがあります。
基本月額(報酬比例部分の年金額÷12)と総報酬月額相当額(その月の標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額÷12)との合計額が46万円以内なら、報酬比例部分の年金額は全額もらえます。
それらの合計額が46万円を超えたら、超えた額の2分の1だけ報酬比例部分の年金が支給停止となるのが基本的な調整のしくみです。
「標準報酬月額」算定の基礎となる報酬や、「標準賞与額」の算定の基礎となる賞与に含まれない収入がいくらあっても、年金の支給停止額には一切影響しません。
例えば、個人としての不動産収入や、株式の配当、積立型損害保険等の一時所得等の収入、厚生年金の適用事業所ではない事業所から受ける給与・賞与等(例:常時従業員数5人未満の個人事業主や厚生年金適用外の業種の個人事業主から受ける給与等)がいくらあっても、それらは厚生年金保険法上の報酬・賞与に該当しませんので、年金支給停止額には影響がありません。
ですから、「年収」がいくらかだけでは、年金支給停止額は計算ができません。
あくまでも、厚生年金被保険者または70歳以上被用者として働いて厚生年金適用事業所から受けている報酬・賞与を基に計算した「総報酬月額相当額」と基本月額(権利が発生している報酬比例部分の年金額÷12)のみを基に、年金支給停止額計算に影響します。
なお、65歳からの老齢基礎年金や、厚生年金から支給される差額加算(経過的加算額、経過的加算部分)は、報酬・賞与との調整のしくみの対象外です。
ですから、「総報酬月額相当額」がいくら多くても、請求さえすれば全額受給できます。
厚生年金適用事業所から受ける報酬・賞与以外のお金で、年金支給停止に影響があるかに関する質問が多いものとしては、社長が会社に貸している不動産の地代・家賃、旅費・交通費の実費弁済分、社長から会社へ貸していたお金の返済金として会社から社長が受けているお金等があります。
【回答】
前述の通り、65歳到達時のはがき形式の年金請求書の書き方については、経営者層から多くの相談をいただくところです。
65歳以降の年金の受給の仕方については、各人が判断して次の中から自由に選択できます。
・老齢基礎年金・老齢厚生年金とも原則通り65歳からもらう
・老齢基礎年金のみ繰下げ予定で、老齢厚生年金のみ65歳からもらう
・老齢厚生年金のみ繰下げ予定で、老齢基礎年金のみ65歳からもらう
・老齢基礎年金・老齢厚生年金とも繰り下げてもらう予定
ただし、選択の前提として、在職老齢年金のしくみによる年金支給停止や、年金の支給繰下げに関する正しい理解が必要となります。
繰下げは、老齢年金制度の中でも最大の難所の一つです。
繰下げと在職老齢年金との関係については、多くの方が誤解されています。
繰下げ・在職老齢年金にさらに差額加算(経過的加算部分・経過的加算額)が絡むと、多くの方にとって、大変理解が難しいのではないでしょうか。
全受給権者の中で65歳からの年金を繰下げしている人は、とても少ないそうですが、経営者層では割によく見ることができます。
繰下げした方がトクか損かわからないから教えて欲しいという相談もとても多いです。
また、実際に繰下げ待機をしている経営者の中のかなりの割合の方が、制度に関して大きな誤解をされています。
まず、基本的に、繰下げした方がトクであったか損であったかは、結局何歳まで生きたか(何年間受給したか)によりますから、前もってはわかりません。
高額報酬の65歳以上の経営者の場合、65歳からの老齢基礎年金については、原則通り65歳到達月の翌月分から受給している人も66歳以降70歳までの希望する月まで繰り下げて、その翌月分からもらい始めようとしている人も、両方おられます。
老齢基礎年金は報酬・賞与がいくら高額でも請求さえすれば全額受給できる年金ですから、この二つの選択肢のうち、いずれかを選べばよいこととなります。
繰下げ受給をした場合は、遅くからもらい始める代わりに、繰下げ月数×0.7%だけ年金額が一生涯増額されます。(増額率は42%が上限ですから、70歳以降まで繰り下げてもそれ以上年金額は増えません。)
一方、老齢厚生年金についても、原則通り65歳到達月の翌月分から受け取るか、66歳以降70歳までの希望する月まで繰り下げて、その翌月分からもらい始めるかを選択できます。
ただし、老齢厚生年金のうち報酬比例部分については、65歳以降ずっと全額支給停止であった人の場合は、66歳以降何か月繰り下げたとしても、年金額はまったく増えません。
65歳以降の老齢厚生年金(報酬比例部分)のうち支給停止となっていない部分が少しでもあった月がある場合は、支給停止となっていなかった部分については、繰下げした場合の増額計算において加味されるのですが、経営者の場合、65歳以降ずっと老齢厚生年金(報酬比例部分)が全額支給停止だったという方も多いです。
そのような方が例えば70歳まで繰り下げて、年金額が増えると思って期待していたのに、実は老齢厚生年金(報酬比例部分)は繰り下げ増額ゼロだったとなると、多くの経営者から日本年金機構に苦情が行きそうですよね。
しかし、あまりそのような苦情が聞かれないのは、なぜでしょうか。
65歳以降70歳まで厚生年金に加入して保険料を支払ってきた分、70歳到達月の翌月以降老齢厚生年金額が改定されます。(増額されます。)
この、65歳以降保険料を払ってきたことによる年金額の増額を、繰下げして年金受給開始を遅らせたことによる増額効果だと勘違いしている人が多いためではないでしょうか。
高額報酬の経営者の繰下げと在職老齢年金についてのご相談は、大きな勘違いをされない前にお気軽にどうぞ。
なお、高額報酬の方の65歳からの年金について、在職老齢年金の対象となるかならないかは、次の通りです。
・老齢基礎年金:在職老齢年金の対象とならない
・老齢厚生年金のうちの差額加算(経過的加算部分・経過的加算額):在職老齢年金の対象とならない
・老齢厚生年金(報酬比例部分):在職老齢年金の対象となる
一方、65歳からの老齢年金の請求書においては、
・老齢基礎年金を繰り下げるかどうか
・老齢厚生年金を繰り下げるかどうか
しか聞いてきてくれていません。
老齢厚生年金(差額加算)については、老齢厚生年金(報酬比例部分)と一緒に、繰り下げるかどうかしか聞いてこないわけですね。
このことも、高額報酬経営者の繰下げに関する理解が難しい一因だと思います。
【回答】
65歳以上の経営者の方からの相談では、今の報酬だと、年金はいくらもらえるのでしょうか、というものが多いです。
そのような質問に回答するためには、老齢厚生年金(報酬比例部分)の年金額がいくらかを教えていただく必要があります。
厚生年金基金にも加入していた人の場合は、老齢厚生年金(報酬比例部分)+基金代行額の年金額を教えていただく必要があります。
それらの年金のみが、在職老齢年金の対象となるからですね。
しかし、ご自分の老齢厚生年金(報酬比例部分)の年金額がいくらであるかをご存じでない経営者が多いです。
これは、なぜでしょうか。
毎年度6月上旬頃日本年金機構から年金受給者に郵送されてくる、その年度分の年金額を知らせるための「年金額改定通知書」には老齢厚生年金(報酬比例部分)の年金額がいくらであるかが記載されていないからですね。
年金額改定通知書の「厚生年金保険」欄には、「基本年金額」と「支給停止額」と「年金額」のみが記載されています。
この「基本年金額」欄には、老齢厚生年金(報酬比例部分+差額加算)の年金額が記載されています。
報酬が高いため明らかに老齢厚生年金(報酬比例部分)の全額が支給停止となっている人の場合は、年金額改定通知書記載の「年金額」(=「基本年金額」-「支給停止額」)が差額加算の年金額であり、「支給停止額」相当額が老齢厚生年金(報酬比例部分)の額だといえます。
しかし、老齢厚生年金(報酬比例部分)の一部が支給停止となるような報酬設定となっている方の場合は、年金額改定通知書を一見しただけでは、差額加算の年金額、老齢厚生年金(報酬比例部分)の額がいくらなのかわかりません。
したがって、老齢厚生年金(報酬比例部分)を全額受給するためには、報酬設定をどのように変えればよいのかもわかりません。
ご不明の場合は、直近の1年に受けた報酬月額・賞与額や今年度の年金額改定通知書の基本年金額・支給停止額・年金額の記載を明記の上、ご相談ください。
【回答】
配偶者加給年金額については、60歳台前半の経営者からも65歳以降の経営者からもいただくことがあります。
配偶者加給年金額とは、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分+定額部分)や老齢厚生年金を受けている人で、厚生年金被保険者期間が原則20年以上の人に、その人によって生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる間に支給される扶養手当のようなものです。
以下に、60歳時において老齢年金受給権者の厚生年金被保険者期間が20年以上あったという前提で回答します。
1.60歳台前半の場合
特別支給の老齢厚生年金として報酬比例部分のみの年金を受けている人に、その人によって生計を維持されている65歳未満の配偶者がいたとしても、配偶者加給年金額はつきません。
特別支給の老齢厚生年金として報酬比例部分+定額部分の年金を受けている人に、その人によって生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合は、配偶者加給年金額がつきます。
男性であれば、平成24年4月2日以降生まれの人には、在職中に特別支給の老齢厚生年金として定額部分が支給されることはありません。
したがって、配偶者加給年金額はつくことはありません。
一方、女性の場合は、例えば、昭和27年4月2日~昭和29年4月1日の間に生まれた方であれば、特別支給の老齢厚生年金としては、60歳からは報酬比例部分が支給されますが、64歳からは報酬比例部分+定額部分の年金が支給されます。
したがって、64歳時に、その人によって生計を維持されている65歳未満の配偶者がいれば、配偶者加給年金額がつきます。
ただし、報酬が高いため特別支給の老齢厚生年金が全額支給停止となっている場合は、要件を満たす配偶者がいたとしても、配偶者加給年金額も支給されません。
なお、生年月日・性別からすると報酬比例部分のみの年金額が支給される方でも、長期加入者の特例(44年以上特例)に該当すれば、報酬比例部分+定額部分の年金が支給されますので、配偶者加給年金額が付きうることとなります。
しかし、長期加入者の特例に該当するためには、厚生年金保険の被保険者資格を喪失している必要がありますので、現役経営者の場合、長期加入者の特例は関係がありません。
2.65歳以降の場合
老齢厚生年金(報酬比例部分)を受けている人に、その人によって生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合は、配偶者加給年金がつきます。
ただし、報酬が高いため老齢厚生年金(報酬比例部分)が全額支給停止となっている場合は、要件を満たす配偶者がいたとしても、配偶者加給年金額も支給されません。
以上より、経営者の場合、本人の年齢を問わず、加給年金額も全額支給停止となっている方が多くなっています。
なお、老齢年金受給者の年齢にかかわらず、老齢年金受給者に65歳未満の配偶者がいても、配偶者自身が老齢厚生年金(被保険者期間が原則20年以上のもの)等一定の年金を受けている場合は、配偶者加給年金額は支給停止となります。
配偶者加給年金額が扶養手当のようなものですので、配偶者自身がある程度のまとまった年金額を受けている場合は、配偶者加給年金は支給停止となるという趣旨ですね。
中小企業・小規模企業においては、夫婦ともに長年役員として厚生年金に加入されてきたケースも多いですので、この点に関する相談もあります。
【回答】
老齢厚生年金や老齢基礎年金は、原則として65歳到達月の翌月分から、死亡した月分まで支給されます。
(65歳到達月を過ぎてから、老齢厚生年金や老齢基礎年金をもらえる権利が発生した人の場合は、権利が発生した月の翌月分から支給されます。)
なお、昭和36年4月1日以前生まれの男性、昭和41年4月1日以前生まれの女性で、厚生年金保険の被保険者期間が1年以上ある人は、生年月日・性別に応じて定められた支給開始年齢到達月の翌月分から特別支給の老齢厚生年金がもらえます。
ただし、60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金は厚生年金保険の被保険者として働いている間は、報酬・賞与と年金との調整のしくみ(在職老齢年金)の対象となります。
また、65歳からの老齢厚生年金のうちの報酬比例部分も、厚生年金保険の被保険者や70歳以上被用者として働いている間は、報酬・賞与と年金との調整のしくみ(在職老齢年金)の対象となります。
特別支給の老齢厚生年金は65歳までの生きている間に支給される年金です。
生きていたとしても有期の年金です。
一方、65歳からの老齢厚生年金・老齢基礎年金は終身年金です。
死亡するまで受給権がなくなることはありません。
なお、公的年金は年6回偶数月に前々月分・前月分の2か月分が支給されます。
ですから、死亡した月分の年金を自分で受け取ることはできません。
そこで、死亡した人に支給すべきであった年金でまだ支給されていなかったものについては、一定の遺族が「未支給年金」の支給を請求できる規定が国民金年金法第19条・厚生年金保険法第37条に定められています。
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