老齢厚生年金の在職支給停止と支給繰下げとを混同して勘違いしている経営者が多いのでご注意ください

60歳以上の経営者の方から老齢厚生年金に関してご相談いただくことが大変多いのですが、
その中で多くの社長様方が誤解されていることがあります。

報酬が高いため現在支給停止になっている年金を、おそらくは「繰下げ」という度と混同され
ていると思うのですが、今現在支給停止になっている老齢厚生年金を後から、勇退されてから
貰えるものだと、それも年金額が増えてもらえるものだと思い込んでおられるという例がとて
も多いです。

実はこの「繰下げ」と在職支給停止という制度は全く異なる制度です。

今現在支給停止になっている年金自体を後からもらうということは、絶対にできません。
今現在もらわないともらうことはできません。この点はご注意をいただきたいと思います。

また、老齢基礎年金と老齢厚生年金とを混同されているケースもかなり多いです。
老齢基礎年金は65歳から受け取れるのですが、報酬がどんなに報酬が高い経営者の方であって
も何の問題もなく絶対に全額受け取ってもらえるものなのです。

このこと自体ご存じない方も多いんのですが、老齢基礎年金は老齢厚生年金と別に、老齢基礎
年金だけを繰下げすることもできます。
実際、65から受け取らないで、後から繰下げようと思ったら繰下げられるような状態になって
いる方も多いです。

このような状態の老齢基礎年金と支給停止になっている老齢厚生年金のこととを混同されて
いる経営者の方もとても多いのです。

以上のように、大変分かりにくい規定になっていますが、とにかく、老齢厚生年金の在職支給
停止になっている分は今受け取っておかないと大変損になりますので、報酬が高い経営者の方
の場合、ぜひご相談をいただければと思っております。