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老齢年金の歴史と在職老齢年金制度の歴史・「新法」時代のポイント

(2024年1月5日一部追記)(2016年11月29日)

公的年金の世界ではよく、「新法」「旧法」という言い方をします。

昭和61年4月以降の国民年金法・厚生年金保険法を「新法」といい、
昭和61年3月以前の国民年金法・厚生年金保険法を「旧法」といいます。

昭和61年4月から、国民年金を全国民共通の基礎年金と位置づける等の大改革が実施されたので、それ以降とそれまでとで区別しているわけですね。



厚生年金についても、新法時代になって様々なことが大きく変わりました。

1.厚生年金に何歳まで加入するのか
旧法時代は終身加入でしたが、新法になって「65歳まで加入」になりました。

その後、平成12年(2000年)改正で平成14年(2002年)4月から「70歳まで加入」になりました。





2.老齢厚生年金はいつからもらえるのか
旧法時代は原則60歳(女性は55歳)から支給でしたが、新法になって原則「65歳から支給」となりました。
新法時代になって65歳までの年金をいきなり廃止するわけにはいかないため、特別支給の老齢厚生年金として、「当分の間」残すこととされました。


その後、特別支給の老齢厚生年金について次のような改正があり、現在にいたっています。

・平成6年(1994年)改正 
60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金の「定額部分」支給開始年齢の引上げ(平成13年度から段階的実施)

・平成12年(2000年)改正 
60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金の「報酬比例部分」支給開始年齢の引上げ(平成25年度から段階的実施)


3.在職老齢年金制度改正の概要
在職老齢年金制度は旧法時代からありましたが、今とは年金支給停止のしくみが違いました。

・昭和40年(1965年)6月~
 65歳からの在職老齢年金制度が導入されました(基本年金額の2割支給停止)。

・昭和44年(1969年)12月6日~
 65歳までの在職老齢年金制度が導入されました(標準報酬月額等級に応じ、2割支給停止、4割支給停止、6割支給停止、8割支給停止、または、全額支給停止)。


(旧法時代はその後も何度か改正がありましたが、今となっては重要ではありませんので、詳細は省略します。)


新法になって、65歳からの在職老齢年金制度が廃止されました。

これは、1で見た通り、厚生年金保険被保険者となる上限年齢が65歳未満となったことによります。
昭和61年4月1日から、65歳以上の人は厚生年金保険被保険者とならないこととなりましたので、65歳以上の人が厚生年金保険適用事業所で働いて報酬を受けていても、老齢厚生年金を全額受給できるようになりました。


新法時代も頻繁に改正がありましたが、細かな改正はすべて省略し、重要な改正のみ以下に概要を記載します。。

・平成7年(1995年)4月~
65歳までの在職老齢年金について、年金額の一律2割を支給停止し、残りの額を標準報酬月額と年金額に応じて調整する形に変わりました。

・平成14年(2002年)4月~
65歳以上70歳未満の老齢厚生年金にも在職老齢厚生年金制度が導入されました。
この改正は、平成14年4月1日以降に65歳となる昭和12年4月2日以降生まれの人が対象とされました。
これは、平成14年4月1日から、厚生年金保険被保険者となる上限年齢が65歳未満から70歳未満に改正されたことによります。


現在多くの65歳以上の経営者が悩んでいる在職老齢年金問題は、新法施行後平成14年4月までのかなり長い間、誰も悩んでいなかった、ということになります。


・平成16年(2004年)4月~
平成15年4月からの「総報酬制」の導入により、賞与にも報酬と同率の保険料がかかるようになりました。
その1年後の平成16年4月からは、「標準報酬月額」ではなく「総報酬月額相当額」を用いて年金支給停止額が掲載されるようになりました。
つまり、在職老齢年金制度による年金支給停止額計算において、「その月以前1年間の標準賞与額の総額÷12」が支給停止額に影響することとなりました。

・平成17年(2005年)4月~
65歳までの在職老齢年金の一律2割支給停止の仕組みが廃止されました。


・平成19年(2007年)4月~ 
厚生年金保険適用事業所に勤務する70歳以上の人は、厚生年金保険被保険者ではないものの、「70歳以上被用者」として、65歳以上70歳未満の厚生年金保険被保険者と同じしくみの在職老齢年金制度の対象となりました。
この改正は、平成19年4月1日当時70歳未満であった昭和12年4月2日以降生まれの人が対象とされました。
したがって、当時すでに70歳以上であった人(昭和12年4月1日以前生まれの人)は、厚生年金保険適用事業所に勤務して報酬を受けていても、70歳以上被用者とはならず、在職老齢年金制度の対象外とされました。


・平成27年(2015年)10月
「被用者年金一元化法」の施行日である平成27年10月1日からは、昭和12年4月1日以前生まれの人であっても、厚生年金保険適用事業所に勤務する70歳以上の人は、70歳以上被用者として、65歳以上70歳未満の厚生年金保険被保険者と同じしくみの在職老齢年金制度の対象となりました。



・令和4年(2022年)4月~
65歳までの
在職老齢年金制度の基準額が、65歳からの在職老齢年金制度の基準額と同額とされました。

65歳からの在職老齢年金制度は改正されませんでしたが、65歳以上70歳未満の厚生年金保険被保険者の老齢厚生年金額を毎年10月分から改定する「在職定時改定が導入されました。

年金の時効は5年のため、それよりも古い改正については知らなくてもよいと思われるかもしれません。
しかし、10~20年前に見聞きした情報が頭の中に残っていて誤解している社長様もおられますので、平成14年4月以降の在職老齢年金制度の改正については、上記ポイントを確認しておいていただいてもよいかと思います。

特別支給の老齢厚生年金は繰上げできますか?


(質問)
昭和31年生まれの60歳男性です。特別支給の老齢厚生年金を62歳からもらえるものの、今の役員報酬額だと全額支給停止になると聞きました。
特別支給の老齢厚生年金を62歳からではなく60歳から繰上げ受給をしても、年金復活プランの対象になりますか。

 



(回答)
特別支給の老齢厚生年金には、65歳からの老齢厚生年金・老齢基礎年金のような繰上げ・繰下げの制度はありません。


特別支給の老齢厚生年金は生年月日・性別に応じて定められた支給開始年齢(昭和30年4月2日以降昭和32年4月1日以前生まれの男性の場合は62歳から)受給する以外の選択肢はありません。


特別支給の老齢厚生年金が報酬との調整で支給停止となる社長様の場合、役員報酬の年間総額は変えないで支払い方を変える「年金復活プラン」を活用されると、特別支給の老齢厚生年金が受給できるようになります。
(個人差がありますが、一般的には、権利が発生している年金額の7~8割程度受給できるようになる方が多いです。)


ただし、62歳到達月の翌月から、1か月ももれなく特別支給の老齢厚生年金を受給されたい場合は、62歳ではなく、61歳以前から年金復活プランを導入しておく必要がありますので、ご注意下さい。

 

(注)昭和28年4月2日以降生まれの男性や昭和33年4月2日以降生まれの女性は、60歳からは特別支給の老齢厚生年金が支給されない人たちです。

これらの人は、65歳からの老齢厚生年金・老齢基礎年金を一緒に、生年月日・性別に応じて定められた特別支給の老齢厚生年金支給開始年齢より前から(例えば60歳から)繰上げて受けることはできます。

(繰上げ減額率=0.5%×繰上げ月数)

繰上げた老齢厚生年金の報酬比例部分は、在職中の場合は報酬との調整の対象となりますから、年金復活プランを活用して役員報酬の支払い方を変更することで年収を変えずに一部を受給することは可能です。

老齢基礎年金や差額加算を繰上げた部分は、報酬との調整の対象外ですから、報酬がいくらであっても全額受給できます。

 

これらの生年月日の方の繰上げは、老齢厚生年金だけでなく老齢基礎年金も同時に繰上げる必要があります。

老齢基礎年金を60歳から受給すると(60か月繰り上げると)、30%も減額されてしまいます。
減額された年金を一生涯受けることとなります。

年金復活プランは、通常は役員報酬月額100万円以上、最低50~60万円以上のオーナー社長を想定しています。

ですから、繰上げを受給をされることはほとんど想定しておりません。

 

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