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オーナー社長が亡くなった後の配偶者(65歳以上)の老齢基礎年金・老齢厚生年金・遺族厚生年金

(2019年5月2日)

65歳からの年金の繰下げと配偶者の年金の兼ね合いについては、次の二点が重要です。
 

・配偶者加給年金額がもらえる人は、老齢厚生年金の繰下げよりも老齢基礎年金の繰下げの方を優先して考える方がよいこと

 

・配偶者が老齢基礎年金を繰下げる選択肢もあること。(ただし、振替加算は繰下げ待機中はもらえず、繰下げても増えないことに注意)

これらは、本人の老齢年金と配偶者の老齢年金についての注意点です。

 

そのほかにも、共働き夫婦の年金については、次のような、老齢年金と遺族年金との兼ね合いが大変重要です。

 

・65歳からは老齢基礎年金と遺族厚生年金を両方もらえる。
・老齢厚生年金もある場合は、遺族厚生年金より老齢厚生年金が優先される
・遺族厚生年金は老齢厚生年金相当額まで支給停止。(老齢厚生年金が給料との調整でカットされても、遺族厚生年金の支給停止額は変わらない。)

 

少し複雑ですが、とても大事な内容です。

 

理解のためには、典型例として中小企業のオーナー社長夫婦(夫が代表取締役・妻が取締役)をイメージするとわかりやすいでしょう。


そして、社長(夫)が死亡し、残された妻(取締役)が代表取締役を引き継ぎ会社経営を継続すると考えてみて下さい。

 

もし夫の死亡時に奥さんが65歳未満なら(例えば64歳なら)、奥さんは、

 1.自分が厚生年金に加入してきたことよる特別支給の老齢厚生年金

 2.夫が亡くなったことによる遺族厚生年金

 の二つの年金をもらう権利があることとなります。

 

しかし、奥さんが65歳になるまでは両方をもらうことはできず、いずれか片方しかもらえません。

 

個別の事例によって様々ですが、一般的には、夫の方が妻に比べて厚生年金加入期間が長く報酬もかなり高かった事例が多いです。

ですから、1の年金よりも2の年金の方の額が多いケースが多く、残された奥さんは65歳になるまでは2の年金だけをもらうこととなります。(要件を満たす間は中高齢寡婦加算も付きます。)

 

しかし、奥さんがその後65歳になると、奥さんには次の3つの年金の権利があることとなります。

1.自分が厚生年金に加入してきたことによる老齢厚生年

2.20歳から60歳までの間、自分が厚生年金に加入したり、アルバイト勤務や専業主婦として国民年金に加入したことによる老齢基礎年金

3.夫が亡くなったことによる遺族厚生年金

ただし、1と3との間で次のような調整が行われます。


奥さん自身の1(老齢厚生年金)がある場合は、老齢厚生年金相当額まで遺族厚生年金は支給停止になり、老齢厚生年金として支給されます。

そして、「遺族厚生年金-老齢厚生年金」の差額だけが遺族厚生年金として支給されます。


夫人年金権の確立ということで、奥さん自身が厚生年金に入って働いたことによって得

た老齢厚生年金を優先的に支給しようというしくみです。

 

ただ、結婚前に少しだけOLとして働いた期間や子供の手が離れてからパート勤務をした位の奥さんの場合ですと、老齢厚生年金の年金額は多くありません。


遺族厚生年金としてもらえるはずの分のごく一部だけが老齢厚生年金として払われたとしても、多くの奥さんにとっては特に問題はないでしょう。

 
ところが、奥さんが取締役として長年ある程度の報酬で働いてきたケースでは、奥さん自

身の老齢厚生年金額も結構多いです。さらに、夫の死後奥さんが代表取締役として働いているのであれば、65歳以降も高額報酬で働いている人が多いでしょう。

 

すると、「遺族厚生年金-奥さんの老齢厚生年金」の額が少ないため、遺族厚生年金相当額のほとんどが奥さんの老齢厚生年金として支給されます。

 

そして、老齢厚生年金(報酬比例部分)は報酬との調整で支給停止となります。


老齢厚生年金(報酬比例部分)が報酬との調整で支給停止となる分だけ、遺族厚生年金として支給される金額を増やしてくれればよいのですが、そのようなことはありません。

 

このように、小さな会社のオーナー夫婦で、夫が亡くなって妻が後を継いで経営を続ける場合、奥さんは、年金に限っていえば、とてもかわいそうな状況になります。

 

以上のことを踏まえると、

小さな会社のオーナー社長の奥さんから、

65歳以降もできるだけ長く働き続けた方が得なのか

65歳からの年金をできるだけ遅くまで繰下げた方が得なのか

 と質問を受けたときの回答は、難しいことがわかりますよね。

 

なぜなら、厚生年金にできるだけ長く入り続けることや、65歳からの年金をできるだけ繰下げることによって、自分の老齢厚生年金を増やす効果は間違いなく発生するのですが、それらのメリットを実際に享受できるのは、「ご主人が存命中に限られる」こととなる人が多いからです。


つまり、老齢厚生年金をいくら増やしても結局夫の死亡による遺族厚生年金に吸収されるし、夫死亡後も厚生年金に入って一定額以上の報酬で働く場合は、老齢厚生年金(報酬比例部分)は何歳になっても支給停止となるからです。

 

中小企業の奥さんからの年金相談で、このあたりの内容を話すと大変真剣に聞いてくれる人が多く、説明にも時間がかかるのですが、途中で話がわからなくなる人も多いです。

 
(まとめ)

65歳以降は、老齢基礎年金と遺族厚生年金を両方もらうこともできる。

■ただし、自分の老齢厚生年金がある場合は、老齢厚生年金として優先支給され、在職中は在職老齢年金の対象となる。 

 

年金をもらうためにやむなく報酬額を下げている社長からの、元の報酬総額に戻したいという相談における注意点

例えば、65以上の代表取締役で、老齢厚生年金(報酬比例部分)の年金額が120万円、報酬月額100万円(賞与なし)の人の場合。

 

このままの報酬ですと、老齢厚生年金(報酬比例部分)はずっと全額支給停止です。

 

そこで、年金を全額もらうために、報酬月額を36万円に下げている人がいます。

 

報酬月額を36万円に下げてから3か月連続で支給し、報酬月額変更届を会社が提出したら、報酬引き下げ月から数えて4カ月目分の標準報酬月額が36万円に下がります。

ですから、その月分から年金が全額もらえるようになります。

 

会社の売上げ・利益が下がっているわけでもなく、後継者の報酬月額を上げるタイミングで自分の報酬月額を下げているのでもなく、単に年金を全額受け取りたいがために、報酬月額を64万円も下げている事例があります。

(下げた分、配偶者の報酬を上げている場合の注意点については、書籍『社長、あなたの年金、大損してますよ!』においても解説しています。)

 

このような人が年金復活プランを活用することで、報酬設定によっては年収1,200万円のままであっても年金を全額もらえるということを知った場合、来期から年収を1,200万円に戻したいと考えるケースも多いです。

 

この場合の注意点は、希望の報酬設定に来期から変更した場合のシミュレーションをきちんと行うことです。

 

それも、年金受給額だけのシミュレーションではなくて、以下の検証を行う事です。

 

・本人の収入(特に手取り収入)

・会社の経費負担(および法人税負担増)

・源泉所得税控除額

・社会保険料負担増(会社負担・本人負担)

 

なぜならこれらは、下記の要素により細かく変動するからです。

・会社の決算月(毎年度何月支給分の報酬から変更しているか)

・定期同額給与を月額いくらに下げるか。

・事前確定届出給与を年何回支給するか

・事前確定届出給与の支給額および支給月

 

そして、試算は月単位、年単位、事業年度単位、および、職務執行期間単位で行う必要があります。

   

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