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法人代表者・役員の健康保険と国民健康保険の保険事故

(2020年8月31日)

一般にはあまり意識されることがないようですが、法人代表者・役員が病気・ケガをしたり亡くなったりしても健康保険から給付がされないケースがあります。
少し複雑ですが、詳しくみていきましょう。

 

個人事業主・フリーランス等が加入する国民健康保険は、「被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとする。」と定められています(国民健康保険法第二条)。


つまり、国民健康保険の保険給付の対象となる事故(保険事故といいます)には、業務上の事由によるものも業務外の事由によるものも含まれます。

 

一方、法人代表者・役員等が加入する健康保険では、業務災害以外の疾病、負傷等に関して保険給付を行うことが定められています。

 

・この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害(労働者災害補償保険法第七条第一項第一号に規定する業務災害をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする(健康保険法第一条)。

 

労働者災害補償保険法第711号の業務災害とは、労働者の業務上の負傷、疾病、傷害または死亡をいいます。

 

また、健康保険法第53条の2では健康保険の被保険者や被扶養者が法人の代表者・役員であるときは、その被保険者または被扶養者の、その法人の代表者・役員としての業務に起因する疾病・負傷等に関しては原則として保険給付を行わないこととなっています。
 

例外として、被保険者数5人未満の法人事業所の代表者・役員がその法人のために行う業務で、その法人における従業員が従事する業務と同一であると認められる業務に起因する疾病・負傷等に関しては、健康保険からの保険給付が行われます。

 

以上から、法人化した場合、その法人の代表者・役員としての業務に起因する疾病・負傷等については、法人における健康保険の被保険者数が5人未満であって、その法人における従業員が従事する業務と同一であると認められる業務に起因するものであれば、例外的に健康保険から保険給付がされることとなります。

 

その法人の代表者・役員としての業務に起因する疾病・負傷等に該当せず、労働者災害補償保険法第711号に規定する業務災害に該当しない疾病・負傷等であれば、健康保険から保険給付が行われます。

 

(参考条文)

(法人の役員である被保険者又はその被扶養者に係る保険給付の特例)

健康保険法第五十三条の二

被保険者又はその被扶養者が法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この条において同じ。)であるときは、当該被保険者又はその被扶養者のその法人の役員としての業務(被保険者の数が五人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務であって厚生労働省令で定めるものを除く。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関して保険給付は、行わない。

 

(法第五十三条の二の厚生労働省令で定める業務)

健康保険法施行規則第五十二条の二

法第五十三条の二の厚生労働省令で定める業務は、当該法人における従業員(同条に規定する法人の役員以外の者をいう。)が従事する業務と同一であると認められるものとする。

 

健康保険法第53条の2「法人の役員としての業務」とは、「法人の役員がその法人のために行う業務全般を指し、特段その業務範囲を限定的に解釈するものではない」とされています。(「健康保険法の第1(目的規定)等の改正に関するQAについて」 2013年年814日 事務連絡 全国健康保険協会あて厚生労働省保険局保険課通知」)

 

なお、以下に定める数の労働者を常時使用する個人事業主・フリーランスや法人代表者・役員、家族従業者(「中小事業主等」)は、労災保険(労働者災害補償保険)に特別加入することによって、業務災害・通勤災害について、労災保険の給付を受けられるようになります。
 

・金融業、保険業、不動産業、小売業:50人以下

・卸売業、サービス業:100人以下

・その他の業種:300人以下


労災保険に特別加入するには、労災保険料だけでなく、労働保険事務組合に支払う会費等も必要となります(労働保険事務組合に労働保険等事務を委託する必要があるため)。


ただし、労災保険に特別加入したとしても、「事業主の立場で行われる業務」についていた際の事故は労災保険の給付の対象外です。

 

(注)労災保険の特別加入には、このほか、労働者を使用しないで建設業など一定の事業を行うことを常態とする一人親方等が、特別加入団体を通じて特別加入する制度もあります。

 

障害厚生年金・障害手当金や遺族厚生年金は業務上・業務外問わず対象


なお、国民年金の障害基礎年金と同様、厚生年金保険の障害厚生年金・障害手当金も、業務上の傷病が原因であっても、業務外の傷病が原因であっても、支給要件を満たせば対象となります。
 

法人の代表者・役員としての業務に起因する傷病や、事業主の立場で行われる業務に起因する傷病が原因であっても、支給要件を満たせば対象となります。


厚生年金保険に加入していない期間に初診日のある傷病が原因の場合は、一定の障害状態に該当したとしても障害厚生年金や障害手当金が支給されることはありません。


一定の障害状態に該当した場合の所得保障制度として障害厚生年金・障害手当金の備えがあるようになることは、法人代表者・役員として厚生年金保険に加入することにより得られる大きなメリットといえるでしょう。

 

また、国民年金の遺族基礎年金と同様、厚生年金保険の遺族厚生年金も業務上の傷病が原因の死亡であっても、業務外の傷病が原因の死亡であっても、支給要件を満たせば対象となります。

このことも、法人代表者・役員として厚生年金保険に加入するすることにより得られる大きなメリットといえるでしょう。

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