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(2022年5月30日一部修正・2021年2月2日)
65歳からの老齢基礎年金や老齢厚生年金を66歳以降へ繰り下げるつもりの経営者からの相談は、毎月とても多いです。
65歳になった日(65歳になる誕生日の前日)から起算して1年を経過する日前に請求をしていなかった人は、老齢基礎年金の繰下げ申出ができます。
同じように、老齢厚生年金の受給権を取得した日から起算して1年を経過する日前に請求をしていなかった人は、老齢厚生年金の繰下げ申出ができます。
ただし、老齢厚生年金(報酬比例部分)が支給停止となるような役員給与を受けている人が老齢厚生年金を繰り下げても、老齢厚生年金(報酬比例部分)は全く増額されません。
このことは、これまでにも何度もお伝えしています。
しかし、それ以前に、(65歳からの老齢基礎年金や老齢厚生年金の請求手続きをしていなかったとしても)老齢基礎年金や老齢厚生年金を繰下げできないケースがあることにも注意が必要です。
繰下げできない人が、繰下げして増額された年金を将来受けるつもりで65歳からの年金の請求をせずに待機しても意味がありませんので、ご注意ください。
(少し複雑ですので、ご関心のある方のみ、下記をご参照ください)
まず、65歳になったときや老齢厚生年金の受給権を取得したときに、併給(同時に複数の年金を受けること)できない年金(「他の年金」)の受給権者となっている人は繰下げできません。
老齢基礎年金の繰下げにおける「他の年金」とは、障害基礎年金、障害厚生年金、遺族基礎年金、遺族厚生年金等のことです。
老齢厚生年金の繰下げにおける「他の年金」とは障害厚生年金、遺族基礎年金、遺族厚生年金等のことです(65歳以降、障害基礎年金と老齢厚生年金を併給することはできますので、障害基礎年金は老齢厚生年金の繰下げとの関係では、「他の年金」には含まれません。したがって、障害基礎年金の受給権のみがある人が老齢厚生年金のみを繰り下げることはできます。)。
65歳になった日(老齢基礎年金の場合)や老齢厚生年金の受給権を取得した日から、1年を経過した日までに、「他の年金」の受給権者となったときも繰下げはできません。
65歳になった日(老齢基礎年金の場合)や老齢厚生年金の受給権を取得した日から、起算して10年(昭和27年4月1日以前生まれの人は5年)を経過した日前に「他の年金」の受給権者となった人は、「他の年金」を支給すべき事由が生じた日に繰下げ申出したものとみなされますので、それ以上は繰下げ増額されません(繰下げせずに、65歳到達時にさかのぼって、増額されない老齢基礎年金、老齢厚生年金を請求することもできます)。
例えば、特別支給の老齢厚生年金や老齢厚生年金を受けている人(本人)の配偶者が特別支給の老齢厚生年金や老齢厚生年金の受給権者の場合などは注意が必要です。
配偶者の死亡によって本人が遺族厚生年金の受給権者となった場合は、(遺族厚生年金が少額である、あるいは、遺族厚生年金としての支給額が0円であるなどの理由で)本人が遺族厚生年金の請求手続きを行なわなかったとしても、65歳からの年金の繰下げはできなくなったり、それ以上繰下げても増額されなかったりすることとなります。
配偶者の死亡によって配偶者自身が受け取れなかった老齢年金の未支給分だけを請求し、遺族厚生年金の受給権も生じているのに遺族厚生年金の請求は行わないままのケースでは、自分の老齢年金を繰下げ待機しているつもりが実は繰下げできなかったり、思ったほど繰下げ増額されなかったり、と思惑違いが生じますので、注意が必要です。
なお、一般的なお話ですが、次の二つは異なります。
1.年金の「受給者」:年金の受給権があり、かつ、その年金の請求手続きを行い年金を受けている人
2.年金の「受給権者」(受給権を取得している人):年金の受給権がある人
(年金の請求手続きを行っている人も行っていない人も、受ける権利が生じているのであれば、受給権者となります)。
例えば、老齢年金であれば、年金の受給資格期間(下記参照)を満たしていたとしても、年金をもらえる年齢にならないと受給権者にはなりません。
老齢年金の「受給資格期間」とは:
(1)老齢基礎年金の場合:保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間が合計10年以上ある人
(2)特別支給の老齢厚生年金の場合:保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間が合計10年以上あり、厚生年金加入期間が1年以上ある人
(3)老齢厚生年金の場合:保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間が合計10年以上あり、厚生年金加入期間が1月以上ある人
(1)~(3)の各老齢年金の受給資格期間を満たしている人が、その年金の支給開始年齢に到達すれば、実際には請求手続きを行ってなかったとしても、その年金の受給権者となります。
その年金の受給権者が年金の請求を行って年金を受けると、その年金の受給者となります。
65歳からの年金の受給を経営者が検討する場合は、一般に、次の順序で考えるのがよいでしょう。
1.生涯現役で働くつもりかどうか。
退職予定の場合は、いつ頃退職する予定か。
2.退職するまでの役員給与設定をどうするのか。
在職中に老齢厚生年金(報酬比例部分)の全部または一部の受給を目指すのかどうか。目指す場合はいつからの受給を目指すのか。
3.65歳からの老齢基礎年金および老齢厚生年金を66歳以降に繰下げるかどうか。
繰下げる場合は、それぞれ何歳何カ月まで繰下げるか(令和4年度以降に70歳になる人は、最高75歳まで繰下げできるようになります)。
それぞれ、すぐには決められないと思いますので、時間をかけて検討していくこととなります。
ポイントは、3を1番最後に考えることだと思います。
一番最初に3を検討している人の多くが、混乱してしまって、どうしてよいかわからなくなってしまっているようです。
繰下げ制度の基本事項についてご存じない方がとても多いことが、混乱の一因です。
例えば、繰下げは退職(厚生年金保険被保険者資格を喪失)していてもいなくてもできますが、退職しないと繰下げできないと思っている人もおられます。
70歳まで繰下げれば、70歳以降は引き続き厚生年金に加入して高額報酬を受けても、年金は支給停止とならないと思っている人もおられます。
また、繰下げ制度と在職老齢年金制度の関係、繰下げ制度関連の改正事項についてご存じない方も多いです。
年金の時効は5年ですから、老齢厚生年金の繰下げを検討している場合であっても、上記1・2を先に考えて、65歳到達月に年金が支給停止とならないような状態にできているように事前に役員給与設定を変更しておくことが重要です。
その上で、繰下げするかどうかの最終決断は、65歳からの年金の請求手続きをしていないなら、後で(時効でもらえない年金が生じないように、最大5年以内に)決めればよいこととなります(ただし、繰下げするつもりで待機中に「他の年金」の受給権が生じた場合の注意点は、既に解説した通りです)。
65歳からの年金の請求手続きをする前に、おおまかでもかまいませんので、1・2を決めてから、3について検討するのがよいでしょう。
(注)令和5年4月1日以降は、(昭和27年4月2日以後生まれの人が)70歳に達した日後に年金を請求し、その請求の際に繰下げ申出をしないときは、請求をした日の5年前の日に繰下げ申出があったとみなして繰下げ増額された年金を受け取ることとなります。
ただし、80歳に達した日以後や、請求をした日の5年前の日以前に「他の年金」の受給権者であったときは、このみなし規定は適用されません
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