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年金と給与を受けている人の税金について

(2021年4月12日)

 

公的年金等は雑所得等として所得税がかかります。

 

令和2年分以後の公的年金等にかかる雑所得の計算方法や早見表などは、国税庁のホームページで確認できます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm

 

そのほか、年金にかかる税金については、以下の点も令和2年から改正されていますので、注意が必要です。


細かな話ですので、概要のみ以下に解説いたします。

 

・所得金額調整控除(給与と公的年金等を受ける場合の、給与所得の調整)


この所得金額調整控除とは、一定の給与所得者の総所得金額を計算する場合に、一定の金額を給与所得の金額から控除するというものです。


所得金額調整控除には、次の1・2の二種類があります。


1 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除
2 給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1411.htm


このうち1の控除は確定申告で適用する以外に年末調整において適用することもできますが、
2の控除は確定申告において適用することとなっています。


所得金額調整控除の適用漏れがあると、給与所得の額が多く申告されることとなり、所得税等負担が増えることとなります。

 

所得金額控除の計算方法や確定申告書への書き方は、「令和2年分所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」の10~11ページに記載されています。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2020/pdf/001.pdf

 

手引き10ページの(1)が、1 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除についての説明で、手引き11ページの(2)が、2 給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除についての説明です。

 

(事例)
66歳社長。役員給与月額100万円・役員給与年額1,200万円。
老齢基礎年金780,900円
老齢厚生年金(報酬比例部分)1,440,000円
老齢厚生年金(経過的加算部分)540円
企業年金なし


この社長は、現在の役員給与設定(月額100万円)のままであっても、老齢基礎年金や老齢厚生年金(経過的加算部分)は全額受給できます。
一方、老齢厚生年金(報酬比例部分)は全額支給停止です。

 

しかし、役員給与年額1,200万円のままであっても、役員給与の設定を変更することで、老齢厚生年年金(報酬比例部分)も受給できるようになります(年金復活プラン)。


いくら受給できるようになるかは役員給与設定によりますが、全額受給も可能です。

 

例えば、老齢厚生年金(報酬比例部分)144万円のうち75万円(約52%)のみ受給できるような役員給与設定としているケースで、確定申告において、「所得金額調整控除」のうちの「2 給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除」を適用する場合は、次の通りとなります。

(「1 子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」の適用はないものとします。
また、便宜上、年金額は令和3年度分を用いて試算します。令和2年度分の確定申告の場合は、年金額が若干異なります)

 

・給与所得=役員給与年額1,200万円-給与所得控除195万円(最高額)=1,005万円

・公的年金受給額=老齢基礎年金780,900円+老齢厚生年金(報酬比例部分)750,000円+老齢厚生年金(経過的加算部分)540円=1,531,440円


この場合、公的年金等に係る雑所得の速算表(令和2年分以後)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm
は、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円超2,000万円以下の表の「65歳以上」に該当します。


そして、公的年金受給額が、「1,000,001円から3,299,999円まで」ですので、公的年金等控除は1,000,000円となります。


したがって、この場合の公的年金等にかかる雑所得は、531,440円となります。


・公的年金等に係る雑所得=公的年金等受給額1,531,440円-公的年金等控除1,000,000円=531,440円
つまり、
・給与所得1,005万円
・公的年金等に係る雑所得531,440円
の合計で1,0581,440円となりますが、


「給与所得と公的年金等の雑所得がある場合で、給与所得控除後の給与等の金額と公的年金等の雑所得の金額の合計額が10万円を超える場合」に該当しますので、確定申告で「2 給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除」の適用ができます。


このケースでは、
・給与所得控除後の給与等の金額(最高10万円)→10万円
・公的年金等の雑所得の金額(最高10万円)→10万円

ですので、適用される所得金額調整控除は10万円となります。
(10万円+10万円-10万円)=10万円


したがって、所得税の計算上、給与所得が所得金額調整控除分10万円だけ少なくなり、


・給与所得995万円
・公的年金等に係る雑所得531,440円
の合計で1,0481,440円となります。

 

所得税(および復興特別所得税)額がいくら下がるかは、社会保険料控除額(社会保険料の本人負担分)や扶養控除等により各人異なります。


例えば、社会保険料控除額や扶養控除額を控除した後の所得税課税対象額も、
社会保険料控除額や扶養控除額を控除し、所得金額調整控除10万円も引いた後の所得税課税対象額も、いずれも「900万円を超え 1,800万円以下」の場合は、いずれの場合も所得税率は33%のため、
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

所得金額調整控除により、所得税額が33,000円(10万円×33%)安くなり、復興特別所得税は693円(所得税額33,000円×2.1%)安くなります。
また、住民税額については、住民税率10%で試算すると、1万円(10万円×10%)安くなります。


ご自身の「所得金額調整控除」や税金についてご不明の点がございましたら、顧問税理士さんや税務署(住民税については都道府県・市区町村)にご照会下さいますようお願い申し上げます。



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