60歳以上現役社長の老齢厚生年金受給・役員報酬最適化なら滋賀県大津市の労務財務の専門家・FP奥野文夫事務所にお任せください!
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(2021年6月4日)
老齢厚生年金(報酬比例部分)の額面の年金額は、厚生年金保険加入期間の月数や加入期間の各月の報酬月額(標準報酬月額)・賞与額(標準賞与額)によって決まります。
(「額面の年金額」とは、退職したり、在職老齢年金制度によって支給停止となる部分が生じないような役員給与設定で働いている場合に受給できる年金額、という意味です。)
したがって、老齢厚生年金(報酬比例部分)の額面の年金額を増やすには、次の3つの方法があることとなります(今回は、繰下げによる年金額増については触れません)。
1.厚生年金保険加入期間を増やす
2.標準報酬月額を増やす
3.標準賞与額を増やす
以下、順番にみていきます。
1.厚生年金保険加入期間を増やす
厚生年金保険には最高70歳になるまで加入できます。
70歳になると厚生年金保険の被保険者資格を喪失し、70歳になった月の前月までが厚生年金加入期間(被保険者期間)となります。
その範囲でなるべく長く厚生年金保険に入ることで将来の老齢厚生年金(報酬比例部分)
の額面の年金額は増えます。
2.厚生年金保険法の標準報酬月額の上限額となるまで報酬月額を増やす
厚生年金保険法の標準報酬月額の上限額は令和2年9月から65万円です(報酬月額635,000円以上の場合)。
比較:健康保険の標準報酬月額の上限は139万円です(報酬月額135万5千円以上の場合)。
したがって、報酬月額635,000円未満の人は、70歳になるまでの各月の報酬月額を増やせば、将来の老齢厚生年金(報酬比例部分)の額面の年金額は増えます。
報酬月額635,000円以上の人は、70歳になるまでの各月の報酬月額をそれ以上増やしても、将来の老齢厚生年金(報酬比例部分)の額面の年金額は増えません。
3.厚生年金保険の標準賞与額の上限額の範囲内で賞与額を増やす。
厚生年金保険の標準賞与額の上限額は1月あたり150万円です(比較:健康保険の標準報酬月額の上限は、年度単位で573万円です)。
したがって、報酬月額635,000円以上のためそれ以上報酬月額を増やしても将来の老齢厚生年金(報酬比例部分)の額面の年金額が増えない人であっても、別途賞与を受けると、受給した賞与額のうち1月当たり150万円までの部分が反映して、将来の老齢厚生年金(報酬比例部分)の額面の年金額が増えます。
厚生年金保険法・健康保険法上の賞与の定義は、労働の対償として支払われるものであって、3月を超える期間ごとに受けるものです。
したがって、厚生年金加入期間中の各月の標準報酬月額が厚生年金保険法上の上限額で
あって、例えば次の例のように、1月当たり150万円以上の賞与を毎年3回受けた場合に、将来の老齢厚生年金(報酬比例部分)額面の年金額が最も増えることとなります。
4月・賞与150万円受給
8月・賞与150万円受給
12月・賞与150万円受給
なお、厚生年金保険や健康保険の保険料も、加入期間中に会社から受けている報酬月額
(標準報酬月額)や賞与額(標準賞与額)に応じて決まります。
報酬月額の上限や標準賞与額の上限を超えた報酬や賞与を受けても、上限を超えた部分に
ついては厚生年金保険料・健康保険料はかかりません。
以上の通り、在職中の各月の役員給与設定は、在職しながら現在受けられる年金額に影響するだけでなく、将来(今後退職したり、在職老齢年金制度により支給停止とならないような役員給与設定に変更したりした後に)受給できる年金額にも影響します。
在職中は老齢厚生年金(報酬比例部分)の年金受給をあきらめる場合であっても、在職中の役員給与設定変更により、将来受給できる年金額が変わる可能性があります。
また、在職中の役員給与設定を変更することで働きながらの老齢厚生年金(報酬比例部分)のの受給を検討する場合も、現在受けられる年金額がいくらになるかだけでなく、将来受給できる年金額への影響も確認しておく必要があります。
ここ数年、70歳台・80歳代の社長様からの老齢年金に関する相談が増えています。
ほとんどが、在職中の役員報酬と年金との調整(在職老齢年金制度)に関する相談です。
これまでにも何度も注意喚起してきましたが、在職老齢年金の対象者に年齢制限はありません。(2007年4月から、70歳以上の人も対象となっています)
昭和12年4月1日以前生まれの人だけは、支給停止額が少なくなるような特例が適用されますが、昭和12年4月2日以後生まれの人は、70歳未満の人と同様のしくみで年金が支給停止となります。
報酬月額(標準報酬月額に相当する額)や直近12か月に受けた賞与額(標準賞与額に相当する額の総額)および老齢厚生年金(報酬比例部分)+(基金代行額もある場合は
基金代行額)の金額に応じ、老齢厚生年金(報酬比例部分)が支給停止となります。
年金支給停止額の算定のしくみの概要は以下の通りです。
・基本月額
={老齢厚生年金(報酬比例部分)+(基金代行額)}÷12
・総報酬月額相当額
=標準報酬月額に相当する額+その月以前の1年間の標準賞与額に相当する額の総額÷12
・年金支給停止額(月額換算額)
=(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)÷2
47万円と言う数字は年度により1万円単位で改定されることがあります
(令和2年度・令和3年度分の年金について支給停止額を算定する場合は47万円です)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/zaishoku/20150401-01.html
70歳台・80歳台で在職老齢年金制度により年金が支給停止されている社長様からは、70歳まで厚生年金保険料を払い続けてきたのに年金が支給停止となることが理解できない、
支給停止となる根拠を教えて欲しい、と質問されることが多いです。
70歳以上の人(「70歳以上の使用される人」。法人から報酬を受けている社長等も含みます)も在職老齢年金制度の対象となることは、厚生年金保険法第46条に定められています。
https://www.syakaihoken.jp/article/15055412.html
「2020年版中小企業白書」によると、社長の年齢分布は「60代以上」が6割近くを占め、「70代以上」の割合が年々増加しているとのことです。
(2018年のデータで、60代社長は30.3%、70代社長は28.1%)
また、社長年齢別に後継者の有無について確認すると、60代では約半数、70代は約4割、80代は約3割で後継者が不在となっているとの2019年のデータもあるとのことです。
以前は、70歳以上の方からの老齢年金相談といえば、代表取締役会長や取締役会長等からの相談が多かったのですが、最近は70歳台・80歳台の代表取締役社長からの相談も多くなっています。
「事業承継・引継ぎ補助金」(経営革新・専門家活用)一次公募の公募期間は、2021年6月11日(金)~2021年7月12日(月)18:00までです。
https://jsh.go.jp/r2h/
「事業承継・引継ぎ補助事業(事業承継トライアル)」の公募も開始されています(6月7日~)。
https://trial-business-succession.jp/
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担当:奥野 文夫 (おくの ふみお)
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