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配偶者加給年金額、遺族厚生年金と生計維持要件(生計同一要件+収入・所得要件)

(2021年8月6日)

高額報酬の社長(厚生年金保険加入期間20年以上)が働きながら65歳から老齢厚生年金を受け取りたい場合で、社長の配偶者(厚生年金保険加入期間20年未満)も厚生年金保険に加入している場合は、本人の役員給与設定だけでなく配偶者の報酬設定についても、事前に変更しておくべきケースがあります。


社長が受け取る老齢厚生年金に配偶者加給年金が加算されるためには、社長が65歳になった時点で配偶者を「生計維持している」などの要件を満たしている必要があるからです。


この「生計維持要件」は、ざっくりいうと、次の要件をともに満たしていることが必要です。

1.老齢厚生年金を受ける本人と配偶者が生計を同じくし、
2.原則として、前年の年収(前年の年収が確定していない場合は前々年の年収)が850万円未満、または前年の所得(前年の所得が確定していない場合は前々年の所得)が655.5万円未満。


この「生計維持要件」の判断基準は、社長が亡くなったときに遺族厚生年金を配偶者が受けられるかどうかを判断する際に用いられる基準と同じです。


老齢厚生年金に加算される配偶者加給年金額は年額約39万円(令和3年度額は特別加算額を含み390,500円。社長が昭和18年4月2日以後生まれの場合)で、配偶者が65歳になる月分までしか加算されません。
(配偶者が65歳になった月の翌月分からは配偶者加給年金額は加算されません。配偶者が昭和41年4月1日以前生まれの場合のみ、配偶者が65歳になった月の翌月分から配偶者自身の老齢基礎年金に少額の振替加算が加算されます)。


したがって、社長に比べてちょうど5歳(60か月)年下の場合でも、配偶者加給年金額の支給総額は最大約195万円(約39万円×5年分)に過ぎません。


それに対し、社長が亡くなった場合に支給される遺族厚生年金は、原則として、社長の老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3相当額です。


配偶者が65歳となるまでは、中高齢寡婦加算年額約59万円(令和3年度額は585,700円)も加算されます。


社長の老齢厚生年金(報酬比例部分)が年額160万円で、社長死亡時に配偶者がちょうど60歳の場合で、配偶者が90歳で亡くなるまでの30年間遺族厚生年金を受給したとすると、遺族厚生年金の総額は約3,895万円にもなります。

・遺族厚生年金120万円(社長の老齢厚生年金(報酬比例部分)×3/4)×30年+中高齢寡婦加算約59万円×5年(配偶者が60歳から65歳になるまで)


実際には、配偶者の65歳からの老齢厚生年金が優先して支給され差額のみが遺族厚生年金として支給されますので、遺族厚生年金としての支給額は上記よりも少なくなります。

社長が何歳で亡くなるか、社長死亡時に配偶者が何歳か、配偶者が何歳まで遺族厚生年金を受給するかや、社長の老齢厚生年金額も様々です。


しかし、配偶者加給年金額を受給した場合の受給総額よりも遺族厚生年金を配偶者が受給した場合の受給総額が多くなるケースは多いです。



したがって、配偶者加給年金額を受給するために社長が65歳までに配偶者を「生計維持」しているかよりも、(社長が何歳であっても)社長が亡くなった時に配偶者が
遺族厚生年金をもらえる遺族に該当するか、つまり、社長が亡くなった時に社長が配偶者の「生計を維持」しているかの方が、より注意すべきことだといえます。



そこで今回は、遺族厚生年金における「生計維持要件」について解説いたします。


遺族厚生年金の支給要件のうちの一つである死亡当時の生計維持要件については、厚生年金保険法59条、厚生年金保険法施行令第3条の10および下記通知(「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて」)の基準に基づき判定されることとなって
います。


(以下、条文は読み飛ばしていただいて構いません)

・(通知)生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb7210&dataType=1&pageNo=1


代表取締役社長が亡くなった後、それまで取締役等として高額の役員給与を受けていた配偶者が代表取締役に就任するような事例も、中小オーナー企業ではよくみられます。


この場合、社長の死亡時の配偶者の前年(確定していない場合は前々年)の(一時的なものを除いた)収入が年額850万円以上かつ前年(確定していない場合は前々年)の(一時的なものを除いた)所得が年額655.5万円以上であれば、配偶者は遺族厚生年金を受給できないのが原則です。


しかし、社長が死亡して、配偶者が55歳以上60歳未満程度で配偶者の前年(または前々年)の収入および所得が基準額を超えている場合、次のような質問を受けることがあります。


「私は現在58歳ですのであと2年経てば60歳になります。60歳になって役員給与を引き下げたら、遺族厚生年金をもらえるようになるでしょうか」


このような質問がみられる理由は、上記通知の「4 収入に関する認定要件・(1) 認定の要件1」として、次のような記載があるためです。

「エ 前記のア、イ又はウに該当しないが、定年退職等の事情により近い将来(おおむね5年以内)収入が年額850万円未満又は所得が年額655.5万円未満となると認められること。」


この「エ」は、一般的な話ですが、例えば次のようなケースであれば該当しえ得ます。

・遺族厚生年金を請求する人(例えば配偶者)が、亡くなった人の死亡の当時(死亡日)にどこかの会社の従業員として勤務しており、おおむね5年以内に(60歳等の)定年退職年齢を迎えることが、労働基準監督署に届けられていた(死亡日時点で配偶者に適用される労働条件が記載された)就業規則で確認できることにより、おおむね5年以内に収入・所得が基準額未満となることが死亡の当時に客観的に予測可能であったことが認められる。



遺族厚生年金が支給されるための「生計維持要件」を満たしていたかどうかは、あくまでも死亡の当時(=死亡日)に満たしていたかによって判断されるわけです。


社長死亡時の会社の経営状況や配偶者の収入・所得の内訳・役職・勤務状況等詳細は各ケース様々でしょうが、中小オーナー企業の代表取締役社長の死亡後、後継の代表取締役社長に就任した配偶者について、単に「60歳を迎える(迎えた)」という理由で、株主総会議事録・取締役会議事録に自身の収入・所得が今後下がる旨の記載があったとしても、
そのことだけをもって、おおむね5年以内に収入・所得が基準額未満となることが死亡の当時に客観的に予測可能であったと認められるのは難しいでしょう。


なぜなら、次の2つがわからないからです。

・その会社の代表取締役が60歳になると、なぜ役員給与が下がるのか

・60歳を迎えると役員給与が下がることが死亡の当時客観的に予測可能であったことが、何を見れば確認できるのか


中小オーナー社長は、自身の役員給与を自由に決定できる立場にいますから、単に、前社長の死亡後に現社長が自身の役員給与額を下げた結果、前社長の死亡日からおおむね
5年以内に現社長の収入または所得が基準額以内に下がったことをもって、前記「エ」に該当すると認められるわけではありません。



古い資料ですが、請求したものの生計維持要件が認められなかった遺族が審査請求・再審査請求を行った事例の裁決が15例紹介されている市販書籍もあります(棄却事例が多い
ですが、容認事例もいくつか掲載されています)。
http://www.minjiho.com/shopdetail/010007000003/

例外的におおむね5年以内に収入・所得が基準額未満となることが死亡の当時に客観的に予測可能であったと認められたケースは具体的にどういうケースであったのかを確認する
ことができ、参考になります。


その他、生計維持要件に関するものに限定されてはいませんが、厚生年金保険の遺族給付に関する最近の裁決例は厚生労働省ホームページでも確認できます。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/shinsa/syakai/05.html



一般の経営者夫婦の場合、上記の内容を事前に詳しく研究するまでもなく、万一の場合の遺族厚生年金のことも踏まえて、可能であれば配偶者の年収を850万円未満にするか所得を
655.5万円未満にするかしておくことが重要と言えます。



社長に万一のことがあった場合の死亡退職金原資をどうするかよりも先に、配偶者の役員給与が基準額以内となっているかを確認しておくべきだといえるでしょう。



社長夫婦の年金相談に応じていると、配偶者の年収が850万円以上・所得が655.5万円以上となっていることも結構あります。


顧問社労士や顧問税理士がいる会社でも散見されます。


そのようなときでも、万一の時に社長の配偶者が遺族厚生年金をもらえないことを社長夫婦が知らないことが結構あります。


制度を理解した上で、何らかの理由で収入・所得を下げられないのであれば仕方がないのですが、そのようなケースばかりではありません。


 

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