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在職老齢年金制度による年金支給停止が解除される月についてのよくある誤解

実際の降給月分からではなく、連続する3か月に受けた報酬の平均額が従前の報酬月額と比べて著しく低下した月分から年金支給停止額が減る

(2022年4月30日)
法人の代表取締役が老齢年金受給のために役員報酬を引き下げたケースでで、在職老齢年金制度による年金支給停止が解除される月について誤解している人が多いため、次のような質問を受けることがよくあります。

 

(前提)4月決算企業、毎年6月開催の定時株主総会・取締役会でその年の7月から翌年6月までの役員報酬を決議している法人代表取締役(66歳)からの相談

(よくある質問内容)
年金を全額支給したいので、役員報酬を月額100万円から月額30万円に下げました(昨年7月支給分から変更)。

昨年10月に日本年金機構に報酬月額変額届を提出したところ、新たな年金額の通知が届きました。

報酬月額を昨年7月支給分から変更しましたので、昨年7月分から年金を全額もらえるようになると思っていました(注)

しかし、昨年10月分・11月分(昨年12月支給分)の年金からしか全額もらえるようになりませんでした。
昨年7月~9月分の年金が増額されないままであることに、納得がいきません。


(回答)
ご相談の件、昨年7月支給分から報酬月額を下げた場合、「標準報酬月額」や「総報酬月額相当額」が下がるのは、昨年10月からとなりますので、年金支給停止額が減るのは昨年10月分(昨年12月支給分)からです。

法律通りの取り扱いがされているかと存じます。

(参考条文:厚生年金保険法第23条第1号)
(改定)
第二十三条 実施機関は、被保険者が現に使用される事業所において継続した三月間(各月とも、報酬支払の基礎となつた日数が、十七日以上でなければならない。)に受けた報酬の総額を三で除して得た額が、その者の標準報酬月額の基礎となつた報酬月額に比べて、著しく高低を生じた場合において、必要があると認めるときは、その額を報酬月額として、その著しく高低を生じた月の翌月から、標準報酬月額を改定することができる。

(補足解説1)
標準報酬月額の随時改定について定めた上記条文では、「継続した三月間に受けた報酬の総額を三で除して得た額」(継続した3月間の各月に受けた報酬の平均額)が、その人の「標準報酬月額の基礎となつた報酬月額に比べて、」「著しく高低を生じた場合」に標準報酬月額を改定することができる、と規定されています。

上記の事例では、(昨年7月に受けた報酬額+昨年8月に受けた報酬額+昨年9月に受けた報酬額)÷3は、昨年7月の時点ではまだ算定することができず、昨年9月にならないと算定できませんので、
「その著しく高低を生じた月」、つまり、連続3か月に受けた報酬の平均額が従前の報酬月額と比べて大きく変動した月は、昨年7月ではなく昨年9月です。

したがって、「その著しく高低を生じた月」の翌月である昨年10月から標準報酬月額が改定されます。
昨年10月から標準報酬月額が下がったことにより、昨年10月から、年金との調整の対象となる「総報酬月額相当額」(標準報酬月額+その月以前の1年間の標準賞与額の総額÷12)も下がります。
したがって、昨年10月分(昨年12月支給分)から年金支給停止額が下がります。

ある会社の代表取締役が不服申し立てにおいて、実際に降給が発生した月(上記事例でいうと昨年7月)から標準報酬月額が引下げられるべきだと主張したものの、3か月の報酬の平均額が従前の報酬月額と比べて著しく低下した月(上記事例でいうと昨年10月)から引き下げられるべきだとされた裁決例もあります。

 


以上、「新型コロナウイルス感染症の影響による休業に伴い報酬が急減したときの特例」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2021/0810.html
や、役員退任時にいわゆる「同日得喪」が適用できるケースhttps://www.nenkin.go.jp/faq/kounen/kounenseido/shokutakusaikoyo/20140911.html

には該当していないこと、および、今後も引き続き厚生年金保険被保険者(70歳以上の場合は70歳以上被用者)となるべき状態であることを前提とした回答です。



なお、役員報酬年額を360万円等に引き下げずに、役員報酬年額は1,200万円のままであっても、報酬設定によっては老齢厚生年金(報酬比例部分)の一部または全部を受給することは可能です。
 

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