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高齢の社長・役員の役員報酬と社会保険・年金、65歳以降の介護保険や原則75歳以降の後期高齢者医療制度

健康保険料や厚生年金保険料は標準報酬月額・標準賞与額によって決まる

(2022年9月16日)


役員報酬の年間総額は同じでも、役員報酬の支払い方によって変わることが社会保険・年金関係ではいくつもあります。


個人の所得税や住民税は年間所得によって決まりますが、健康保険料・厚生年金保険料や在職中の年金受給額は年間所得や年間収入によって決まるものではありませんので、注意が必要です。

 

 

1.役員報酬の年間総額は同額であっても役員報酬の支払い方によって、健康保険料・厚生年金保険の額が変わることがあります。


これは、健康保険料・厚生年金保険料の額が、年収ではなく、毎月の標準報酬月額・標準賞与額に応じて定められるからです。

 

2.また、役員報酬の年間総額は同額であっても役員報酬の支払い方によって、在職中の老齢厚生年金受給額が変わることがあります。


これは、年金支給停止額が、年収ではなく、「基本月額」(報酬比例部分の年金額÷12」および毎月の「総報酬月額相当額」(標準報酬月額+その月以前の1年間の標準賞与額の総額÷12」に応じて決まるからです。

 

3.同様に、70歳以上の健康保険被保険者・被扶養者が病気・ケガの療養で医療機関にかかったときに窓口で支払う自己負担額(一部負担金)も、被保険者が受ける役員報酬の年間総額は同額であっても役員報酬の支払い方によって変わることがあります。


これは、健康保険加入者の一部負担金割合が2割となるか、「現役並み所得者」として3割負担となるかが、標準報酬月額によって決まるのが原則だからです。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31701/1941-253/

 

4.さらに、健康保険被保険者・被扶養者が支払った一部負担金・自己負担額が高額となったときに、一定の自己負担限度額までしか負担しなくてもよくなる制度(「高額療養費制度」)における自己負担額の上限額(高額療養費算定基準額)も、やはり、被保険者が受ける役員報酬の年間総額は同額であっても役員報酬の支払い方によって変わることがあります。


これは、健康保険の高額療養費算定基準額の計算式が、標準報酬月額に応じて区分分けされているからです。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/

 

なお、上記2は代表取締役等として法人から報酬を受けている限り70歳になっても75歳になっても、何歳になっても同様のしくみで、年金支給停止額が決まります。


したがって、75歳以上の代表取締役等の役員報酬の年間総額は同額であっても役員報酬の支払い方によって、在職中の老齢厚生年金受給額は変わることがあります。

 

しかし、上記1については、代表取締役等として法人から報酬を受けていても、70歳からは厚生年金保険料はかからず健康保険料のみかかります。
75歳になると健康保険の被保険者ではなくなり、後期高齢者医療制度の被保険者となります。


75歳以上の人(や65歳以上75歳未満の一定の障がいのある方)は後期高齢者医療制度の被保険者となり、被保険者全員に保険料がかかります。
後期高齢者医療制度の保険料は、法人の代表取締役等として報酬を受けている人であっても、均等割額と、前年の総所得金額等に応じた所得割額からなる保険料を負担します。

 

また、上記3については、後期高齢者医療制度の被保険者となっている人は、法人の代表取締役等として報酬を受けている人であっても、前年の所得を基に窓口負担割合が判定されます。
令和4年9月までは1割または3割負担ですが、法改正により令和4年10月からは、1割、2割、または3割負担となります。

・後期高齢者医療における窓口負担の見直し
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/newpage_21060.html
https://www.mhlw.go.jp/content/000720039.pdf
(現役並所得者を除く一定以上所得者が1割負担から2割負担へ)

 

上記4については、後期高齢者医療制度の被保険者となっている人は、法人の代表取締役等として報酬を受けている人であっても、高額療養費の基準額は、前年の所得、窓口負担割合によって変ります。

令和4年9月までは1割または3割負担の区分に応じた基準額ですが、令和4年10月からは1割、2割、または3割負担の区分に応じた基準額となります。

 

以上より、後期高齢者医療制度の被保険者となっている人の場合、役員報酬の支払い方を変更しても、所得・住民税課税状況等に変動がなければ、医療保険料、窓口負担割合、高額療養費の基準額については、(お住いの都道府県や計算基準にも変動がなければ)変わりがありません。

 

(注)健康保険に加入して働いている人の介護保険料は、40歳以上65歳未満の人の場合は、健康保険料と同様標準報酬月額・標準賞与額に応じて決まりますが、65歳以降の介護保険料は、所得・住民税課税状況に応じて決まります。
したがって、65歳以上で健康保険に加入して働いている人の場合、役員報酬の支払い方を変更しても、所得や住民税課税状況等に変動がなければ、(会社が加入している健康保険制度や会社の所在地(都道府県)、介護保険料率にも変動がなければ)、変わりがありません。


介護サービスを利用した際の一部負担金割合は原則1割、一定以上所得者は2割、現役並所得者は3割です。
https://www.city.kobe.lg.jp/documents/6577/h30futanwariai.pdf

 

高額介護サービス費の負担限度額については次の通りです。
https://www.mhlw.go.jp/content/000334526.pdf

 

 

社会保険料はいつまでかかるのでしょうか

(2024年9月6日)

社長様方の年金相談に対応しておりますと、社会保険料についても併せて質問いただくことがあります。


・年金請求書を提出したのに引き続き厚生年金保険料がかかっていますが、これは何歳までかかるのでしょうか。


という質問が最も多いです。


・65歳以降年金から天引きになっている介護保険料は何歳までかかるのだろう
という疑問を感じている方もおられるかもしれません。


退職後は、次のような疑問を感じることとなる方もおられるかもしれません。

・退職後年金から天引きになっている国民健康保険料(75歳未満の場合)や後期高齢者医療制度の保険料(原則として75歳未満の場合)は何歳までかかるのだろう


そこで、以下に、社長・役員の社会保険料がいつまでかかるかを、まとめてみます。


1.年金保険料
厚生年金保険料は70歳未満の被保険者についてかかります。


70歳になると、代表取締役等として働いて会社から報酬を受けておられても、もうかからなくなります。


(注)代表取締役等として働いて会社から報酬を受けておられる限り、給与・賞与との調整(在職老齢年金制度)により老齢厚生年金(報酬比例部分)が全額支給停止となる方であっても、70歳未満の間は厚生年金保険料がかかります。



2.医療保険料

(1) 健康保険料
協会けんぽ(全国健康保険協会)や健康保険組合の健康保険料は、75歳未満の被保険者についてかかります。


75歳になると、代表取締役等として働いて会社から報酬を受けておられても、健康保険料はもうかからなくなります。


(2) 国民健康保険料
国民健康保険料は、75歳未満の人についてかかります。
65歳以降は、一定の要件を満たす場合は年金から天引きとなります。


75歳になると、国民健康保険料はもうかからなくなります。

市町村国保の保険料は、各市町村のホームページで確認できます。


(3) 後期高齢者医療制度保険料
健康保険や国民健康保険に加入している人が75歳になると、後期高齢者医療制度の保険料がかかることとなります。

原則として年金から天引きとなります。

(一定の障害状態にある旨の認定を受けた65歳以上の方は、75歳未満であっても後期高齢者医療制度の被保険者となります)


後期高齢者医療制度の保険料は、一生かかります。

後期高齢者医療制度の保険料は、都道府県の区域ごとに設けられている「後期高齢者医療広域連合」のホームページで確認できます。


3.介護保険料
健康保険や国民健康保険に加入している人の介護保険料は、65歳までは、それらの医療制度の保険料と一緒に納めますが、65歳以降の介護保険料は原則として年金から天引きとなります。


介護保険料も、一生かかります。

65歳以降の介護保険料は各市町村のホームページで確認できます。


最近は、59歳の誕生月に届く封書版の「ねんきん定期便」や、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢となる約3か月前に届く年金請求書とともに、65歳からの年金をもらい始めるのを遅らせる「繰下げ」制度の案内チラシが同封されています。

そのためか、繰下げを検討する方も少し増えている印象です。


例えば、
年金が支給停止とならないような報酬設定に事前に変更した上で、老齢基礎年金および老齢厚生年金をもらい始めるのを66歳以降に繰り下げると、65歳時の「老齢基礎年金+老齢厚生年金」が「繰下げ月数(最高120月)×0.7%」増額されるからです。


ただ、この繰下げ増額率は、額面の年金額の増額率です。


上記2(2)国民健康保険料、2(3)後期高齢者医療制度保険料や、3介護保険料のうち65歳以降の保険料は、所得により変わります。


したがって、年金を繰下げることにより雑所得
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1500.htm
が増えた場合は、所得税・住民税が増えるだけでなく、これらの保険料負担も増えることとなります(各保険料の上限に満たない場合)。


ですから、手取りの増額率は、額面の年金増額率よりは少なくなります。

 

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