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社長が特別支給の老齢厚生年金を請求したら届く年金証書・年金決定通知書の記載内容とは

「年金証書」には受給権取得日などが記載されている

(2023年7月25日)
社長が特別支給の老齢厚生年金を請求したら郵送で届く年金証書・年金決定通知書には何が記載されるのでしょうか。

【事例】
昭和34年10月15日生まれ男性社長
現在63歳。令和5年10月14日(誕生日の前日)に特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢(64)となるため、日本年金機構から年金請求書が郵送されてきた。
現在の報酬月額は65万円・賞与なし
特別支給の老齢厚生年金の年金額は144万円


この社長が令和5年10月14日以降に年金の請求手続きを行うと、
「年金の種類 老齢」、「基礎年金番号(各人異なる番号)」、「年金コード1150」、「受給権者の氏名」、「受給権者の生年月日 昭和34年10月15日」、「受給権を取得した年月 令和5年10月」や年金証書の発行日が記載された「国民年金・厚生年金保険年金証書」が厚生労働大臣名で届きます。

(注1)特別支給の老齢厚生年金の受給権取得日は、支給開始年齢となる誕生日の前日です。



 

「厚生年金保険 年金決定通知書」には支払開始年月、基本となる年金額、支給停止額、支給停止理由、加入期間の内訳、平均標準報酬額等の内訳などが記載されている

特別支給の老齢厚生年金を請求した際に届く年金証書は、「厚生年金保険 年金決定通知書」も兼ねており、この社長の場合は、「2.年金額の内訳」欄に次の記載がされます。
(わかりにくい箇所には、適宜注を入れていきます)


・支払開始年月 令和5年11月

(注2)年金は、受給権取得月の翌月分から支払開始となります。ただし、この社長は報酬が高いため、後述の通り年金は全額支給停止となります。


・基本となる年金額(円) 1,440,000

(注3)特別支給の老齢厚生年金の年額(令和5年度額)が記載されます。

特別支給の老齢厚生年金をもらえる人は、65歳到達月の翌月分以降は、年金が老齢基礎年金および老齢厚生年金に形を変えるのですが、年金証書・年金決定通知書には、65歳到達月分までの特別支給の老齢厚生年金についてのみ(当年度の年金額で)記載されています。


・加給年金額または加算額(円)  0

(注4)厚生年金保険加入中ですので、特別支給の老齢厚生年金に加給年金額が加算されることありません(厚生年金保険加入中は、年金額の計算の基礎となる厚生年金保険加入期間の月数がもし528月(44年)以上となったとしても「長期加入者の特例」には該当しません。また、厚生年金保険加入中は、障害等級3級以上の障害の状態にあっても「障害者特例」には該当しません)。


・繰上げ・繰下げによる減算・加算額(円)  0
(注5)特別支給の老齢厚生年金は繰上げも繰下げもできません。


・支給停止額(円)    1,440,000

・年金額(円)          0

(注6)この社長の年金支給停止額計算は次の通りとなります。
・基本月額=特別支給の老齢厚生年金額÷12=144万円÷12=12万円

・総報酬月額相当額=標準報酬月額+その月以前の標準賞与額÷12=65万円(上限)+0円÷12=65万円

したがって、
・年金支給停止額(月額換算額)=(基本月額+総報酬月額相当額-基準額48万円)÷2=12万円+65万円-基準額48万円)÷2=14.5万円

年金支給停止額(月額換算額)>基本月額のため、年金は全額支給停止


・支給停止理由 01

(注7)支給停止理由欄には、年金が支給停止となる理由が印字されます。

ほとんどの社長様の「厚生年金保険 年金決定通知書」には「支給停止理由 01」と印字されています。


これは、「厚生年金保険の被保険者等であるため」の支給停止が行われていることを意味します。


つまり、年金と給与の調整(在職老齢年金制度)により年金が支給停止となる状態であることが表されています。


「被保険者等」には厚生年金保険の「70歳以上被用者」などが含まれます。




・支給停止期間 令和5年11月~  年  月まで

(注8)在職老齢年金制度による年金支給停止は、退職して厚生年金保険被保険者でなくなったり、厚生年金保険被保険者であっても年金が全額受給できるような報酬設定とすれば、支給停止が行われなくなります。

ですから、支給停止期間の終期は記載されていません。

なお、厚生年金保険加入中の人に支給される特別支給の老齢厚生年金には加給年金額は加算されないため、「4.加給年金額対象者等の内訳」欄の加給年金額対象者欄は空欄となっています。


その他、「3.加入期間の内訳」欄には、厚生年金保険の加入期間の月数などが記載されており、「5.平均標準報酬額等の内訳」欄には、平成15年3月までの厚生年金保険加入期間の月数・平均標準報酬月額や平成15年4月以降の厚生年金保険加入期間の月数・平均標準報酬額が印字されています。



平成15年4月以降の厚生年金保険加入期間の月数は、特別支給の老齢厚生年金の受給権が生じた月(上記事例なら令和5年10月)の前月(上記事例なら令和5年9月)までの月数が記載されています。


その後も(上記事例なら令和5年10月以降も)厚生年金保険に加入し続けた場合、65歳時の老齢厚生年金額(やその後の老齢厚生年金額)を計算するにあたっての厚生年金保険加入期間の月数は増えていきます。



以上詳しく解説しましたが、特別支給の老齢厚生年金を請求した際に届く年金証書・年金決定通知書は65歳到達月までの特別支給の老齢厚生年金についてしか記載されていませんので、65歳からの老齢厚生年金や老齢基礎年金を繰り下げるかどうかの判断材料としては、使えません。



老齢基礎年金の繰下げとは、65歳時の老齢基礎年金を66歳以降最高75歳までの任意の月まで繰り下げるという制度であり、老齢厚生年金の繰下げとは、65歳時の老齢厚生年金を66歳以降
最高75歳までの任意の月まで繰り下げるという制度です。



したがって、65歳からの老齢厚生年金や老齢基礎年金の繰下げを検討するにあたっては、現状の報酬設定のまま働き続けると仮定した場合の65歳時(65歳到達月の翌月分から)の老齢基礎年金額
・老齢厚生年金額がそれぞれいくらかを、年金事務所の予約相談で「試算結果」を印刷してもらって、まず確認する必要があります。


何歳何か月まで厚生年金保険に加入して働き続けるかやそれぞれの年金を何歳何か月まで繰り下げるかが決まっていない方は、70歳まで厚生年金保険に加入して働き続け、老齢基礎年金・老齢厚生年金ともに70歳まで繰り下げた場合の、70歳到達月の翌月分からの年金額内訳についても「試算結果」を印刷してもらうとよいでしょう。


65歳前の段階で「年金を繰り下げ予定です」と仰る社長様の多くが、65歳時の老齢基礎年金額や老齢厚生年金額もその後の年金額内訳も確認されていません。


それでは、それぞれの年金を繰り下げることによる効果額を確認することもできません。


したがって、多くの社長様が、それぞれの年金を繰り下げることによって、各年金についていくら年金額が増えるのかについても、今後も厚生年金保険に加入し続けることによってどの年金について
いくら年金額が増えるのかについても、しっかりとは認識されていない状態です。



そのような状態のまま繰り下げについて検討してもあまり意味がなく、思い込みによる誤解も生じやすいため、事前に年金事務所で必要な「試算結果」をもらってポイントを確認しておくことが重要です。



(繰下げをするつもりのない社長様も、今後も厚生年金保険に加入し続けることによってどの年金についていくら年金額が増えるのかについて「試算結果」で確認しておくことは、今後の報酬設定変更等を検討するにあたって重要です)

 

(注)「厚生年金保険 年金決定通知書」の下には「国民年金 年金決定通知書」欄や「障害基礎年金の障害状況」欄のスペースとなっていますが、特別支給の老齢厚生年金は国民年金ではなく厚生年金保険からもらえる老齢年金のため、「国民年金 年金決定通知書」欄も「障害基礎年金の障害状況」欄も空欄となっています。

 

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