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(2023年10月10日)
多くの社長様が、老齢厚生年金(報酬比例部分)が全額支給停止となるような報酬設定のまま65歳を迎えます。
ですから、老齢厚生年金の繰下げを希望したとしても、「繰下げ月数×0.7%」の繰下げ増額効果を生じさせることはもう絶対にできなくなってしまっています。
このようなことを防ぐためには、63歳頃までに年金の基本形や65歳からの年金額内訳見込額、在職老齢年金制度および繰下げ制度の基本事項を理解しておく必要があります。
しかし、これらについて理解しないまま、70歳になったタイミングで繰下げ申出してはじめて、年金が思ったほど増えていないことに驚いて相談してくる社長様が以前から多くいらっしゃいました。
令和4年度から、昭和27年4月2日以降生まれの人は最高75歳まで繰り下げが可能となりましたので、老齢厚生年金を請求しないまま75歳になったタイミングで繰下げ申出してはじめて、年金が思ったほど増えていないことに驚いて相談してくる人が将来出てくる可能性があります。
最大10年間も誤解し続けてしまうと大変ですので、65歳からの年金を請求していない人に対して、66歳から74歳までの間毎年、日本年金機構から「繰下げ見込額のお知らせ」が送付されることとなりました。
https://www.nenkin.go.jp/tokusetsu/kurisage.html
対象者は、昭和27年4月2日以降生まれの人で、次の条件に当てはまる人です。
・65歳からの老齢年金を受給していない人(特別支給の老齢厚生年金を請求した人も含みます)
・老齢基礎年金または老齢厚生年金のいずれかを受給していない人
(注)遺族年金または障害年金を受給している場合や共済組合の加入期間がある場合等は送付対象外です。
このお知らせは、66歳から74歳まで、毎年、誕生日の前日の属する月の前月末頃に送付されます(その後も老齢年金を請求しないまま75歳到達が近づいた人には、請求漏れがないように、75歳の誕生日の属する月の前月に年金請求書が送付されます)。
65歳からの老齢厚生年金(および老齢基礎年金)を請求していなかった社長様が、66歳時に初めて届いた「繰下げ見込額のお知らせ」を見て、ご自身の誤解に気づいて、どうしたらよいかご相談いただく事例も出てきています。
しかし、このお知らせの「年金見込額(年額)」「老齢厚生年金」中の「②66歳時点まで繰り下げた場合の年金見込額」欄の「d 繰下げ加算額」に記載された金額が、「①受給権発生年齢時点の年金見込額」の「a 基本額」(つまり、65歳時の老齢厚生年金額)に8.4%(0.7%×12か月)を乗じた額よりも少ないことに気づく人は、年金についてかなり調べて詳しい知識を持っている人に限られるでしょう。
66歳時にお知らせが届いてから誤解に気づくのではなく、理想をいえば、63歳頃までに、在職老齢年金制度と繰下げとの関係について理解しておきたいところです。
そのタイミングを逃したとしても、例えば、特別支給の老齢厚生年金の請求手続きを行った後、65歳到達月の上旬頃に65歳からの年金請求書(はがき)が届いたタイミングで、正しい知識を得ておきたいです。
繰下げにより年金額を「繰下げ月数×0.7%」増やすことはもう無理ですが、今後の報酬設定を変更することで、できる限り繰下げ増額率を増やすことは可能だからです。
(事例)
昭和33年10月15日生まれ男性B社長
令和5年10月14日(誕生日の前日)に65歳となるため、日本年金機構から65歳からの年金請求書(はがき)が郵送されてきた。
現在の報酬月額は65万円・賞与なし
65歳時の老齢厚生年金の「基本年金額」154万6610円(厚年期間500月)。老齢厚生年金を請求しても「報酬比例部分」148万円は全額支給停止。「差額加算」6万6610円は全額受給できる。
B社長の会社は11月決算で、毎年1月開催の定時株主総会・取締役会で、2月支給分から1年間の役員給与を決議しているものとします。
もし、令和5年1月開催の定時株主総会等で報酬設定変更を決議しておけば、令和5年11月支給分から(65歳時の)老齢厚生年金(報酬比例部分)が全く支給停止されない状態としたうえで、老齢厚生年金を「繰下げ月数×0.7%」増額させることも可能でした。
しかし、B 社長はそのようなことに気づくことのないまま65歳を迎え、65歳からの年金の請求書を受け取ってから、老齢厚生年金を70歳まで繰り下げるか75歳まで繰り下げるかを考え始めました。
このタイミングで、65歳時の老齢厚生年金(報酬比例部分)のうち在職老齢年金制度により支給停止となる部分については老齢厚生年金を繰り下げても繰下げ増額されない、ということを知っていれば、令和6年1月開催の定時株主総会等で報酬設定変更を決議して、2月・3月・4月と変更後の報酬月額を支給して報酬月額変更届を提出することで、令和6年5月支給分から(65歳時の)老齢厚生年金(報酬比例部分)が全く支給停止されないような状態とすることができます。
つまり、65歳到達月の翌月から繰下げ申出月までの各月のうち、最初の6か月(令和5年11月から令和6年4月まで)については、(65歳時の)老齢厚生年金(報酬比例部分)の各月の「支給率」は0%ですが、今後の報酬設定によっては、令和6年5月から繰下げ申出月までのすべての月の「支給率」を100%にすることも可能だということです。
この場合B社長は、老齢厚生年金を70歳まで繰り下げることによる増額効果(繰上下げ額)を下記の通りとすることができます。
・ {65歳時の老齢厚生年金(報酬比例部分)148万円×平均支給率90%(注1)×60月×0.7%}+{65歳時の差額加算6万6610円×60月×0.7%}=55万9440円+2万7976円=58万7416円
(注)平均支給率={(0%×6月)+(100%×54月)}÷60月=90%
また、老齢厚生年金を75歳まで繰り下げることによる増額効果(繰上下げ額)を下記の通りとすることができます。
・ {65歳時の老齢厚生年金(報酬比例部分)148万円×平均支給率95%(注2)×120月×0.7%}+{65歳時の差額加算6万6610円×120月×0.7%}=118万1040円+5万5952円=123万6992円
(注2)平均支給率={(0%×6月)+(100%×114月)}÷120月=95%
なお、65歳到達後に報酬設定を変更することで「平均支給率」を最大何%にすることが可能かは、会社の決算月および本人が生まれた月により変わります。
(ポイント)
●社長はできれば63歳頃までに、在職老齢年金制度と繰下げの関係について理解しておきたいところです。
●65歳からの年金請求書が届いたタイミングで初めて知ったとしても、その後の報酬設定変更により、老齢厚生年金の繰下げ増額効果をかなり生じさせることは可能となります。
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