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(2023年10月30日)
特別支給の老齢厚生年金を請求済み(報酬との調整で年金は全額支給停止中)の社長様から、間もなく65歳になるタイミングで、「働きながら年金を受給するために報酬設定を変更する予定なのですが、しばらく年金の請求を行わない方がよいのでしょうか」との相談を受けることがあります。
(質問)
報酬設定変更の効果が生じるまでの間は、65歳からの年金の請求を行わない方がよいのでしょうか?
(回答)
65歳からの年金(老齢基礎年金や老齢厚生年金)を65歳から受給することをご希望の場合は、65歳になられたら請求手続きを行ってください。報酬設定変更の効果が生じるまで年金の請求を遅らせる必要はありません。
(注)65歳までの特別支給の老齢厚生年金の請求を行ったものの、65歳からの老齢基礎年金・老齢厚生年金をともに66歳以降に(最高75歳まで)繰り下げての受給を希望する方は、65歳時に請求手続き(年金請求書ハガキの返送)を行わないでください。
(事例による解説)
昭和33年11月20日生まれ男性C社長。報酬月額65万円。特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢(63歳)到達後に特別支給の老齢厚生年金の請求手続きを行ったが、在職老齢年金制度によりずっと年金は全額支給停止だった。
先日年金事務所で受領した「試算結果」によると、65歳時点の老齢基礎年金額は72万8750円。65歳時点の老齢厚生年金(報酬比例部分)は144万円・差額加算は6万6610円。
会社の決算月は9月。毎年11月下旬開催の定時株主総会・取締役会にて12月支給分から1年間の役員報酬設定を決議している。令和5年11月下旬開催の定時株主総会・取締役会にて令和5年12月支給分からの報酬月額を30万円に引き下げて、令和6年3月分(令和6年4月支給分の一部)からは老齢厚生年金も全額受給したいと考えている。
C社長は令和5年11月19日(誕生日の前日)に65歳に到達するため、令和5年11月分(65歳到達月分)までの年金は特別支給の老齢厚生年金ですが、令和5年12月分(65歳到達月の翌月分)からは、老齢基礎年金および老齢厚生年金に年金の形が変わります。
C社長は、昨年11月開催の定時株主総会・取締役会で令和4年12月支給分から1年間の報酬月額を30万円に引き下げておけば、令和5年3月分から令和5年11月分までは特別支給の老齢厚生年金を全額受給でき、令和5年12月分からは老齢基礎年金だけでなく老齢厚生年金も全額受給できていました。
しかし、最近になって65歳からの年金のことを考え始めたため、令和5年11月開催の定時株主総会・取締役会決議に基づき、令和5年12月支給分から報酬月額30万円に下げることとしました。
令和5年12月・令和6年1月・2月と報酬月額30万円を支給した後、会社が報酬月額変更届を日本年金機構に提出することにより、令和6年3月からC社長の標準報酬月額・総報酬月額相当額が30万円に下がります(報酬月額29万円以上31万円未満の場合、標準報酬月額は30万円となります。標準報酬月額30万円で、その月以前の1年間に賞与支給がない場合の総報酬月額相当額は30万円となります)。
つまり、生年月日・性別によると令和5年12月分から老齢厚生年金を受給できる状態となるものの、報酬設定変更が1年遅れたため、C社長は令和6年3月分からしか老齢厚生年金を受給できない状態です。
このようなケースでは、「年金が全額もらえるようになる月(前記事例では令和6年3月)になるまで、年金の請求をしない方がよいのでしょうか」との相談を受けることがあります。
しかし、年金の請求手続きと働きながら老齢厚生年金を受けるための報酬設定変更とは何の関係もありません。
したがって、働きながら老齢厚生年金(報酬比例部分)の全部または一部の受給を目指す場合であっても、在職老齢年金制度の対象とならない年金(つまり、老齢基礎年金や差額加算)だけの受給を目指す場合であっても、65歳到達月の末日までに65歳からの年金の請求手続きを行なえばよいのです。つまり、65歳到達月の上旬頃に届いた65歳からの年金請求書(はがき)を月末までに返送してください(注)。請求を遅らせることによるメリットはありません。
(注)老齢厚生年金のみを請求し老齢基礎年金を繰下げ待機希望の場合は、年金請求書(はがき)の「繰下げ希望欄」の「老齢基礎年金のみ繰下げ希望」に○を付けて返送します。
老齢基礎年金のみを請求し老齢厚生年金を繰下げ待機希望の場合は、年金請求書(はがき)の「繰下げ希望欄」の「老齢厚生年金のみ繰下げ希望」に○を付けて返送します。
ただ、「他の年金」(障害厚生年金・遺族厚生年金等)の受給権がなく、かつ、65歳からの老齢基礎年金・老齢厚生年金の両方を66歳以降(最高75歳まで)の希望する月まで繰り下げるつもりで待機希望の場合は、請求手続きを行わないようにする必要があります。つまり、65歳からの年金請求書(はがき)を返送しないようにします。
前述のような単純に報酬月額を引き下げるような事例では、相談件数はそれほど多くはありません。
しかし、年金復活プランの導入により報酬設定を変更して老齢厚生年金の受給を目指す場合は、「働きながら年金を受給できる状態となるまでは、年金の請求をしない方がよいのでしょうか」といった相談を受けることが極めて多くなります。
このような場合であってもやはり、(「他の年金」の受給権がない人が老齢基礎年金・老齢厚生年金ともに繰下げ待機を希望している場合を除き、)希望の受け取り方に沿った形で、65歳からの年金請求書(はがき)を返送すればよいです。請求を遅らせることによるメリットはありません。
なお、特別支給の老齢厚生年金を受給していた人が65歳からの年金請求手続きを行うと、C社長のように65歳到達月の翌月分の老齢厚生年金(報酬比例部分)が全額支給停止となる人であっても、65歳になって老齢年金の形が変わったことや、老齢基礎年金・老齢厚生年金の年金額、支給停止額、支給額等が印字された支給額変更通知書が届きます。
(65歳からの年金請求手続きを行わなかった人にも、65歳になって特別支給の老齢厚生年金を受ける権利がなくなったこと、当面の年金支給額が0円となること、65歳からの老齢基礎年金・老齢厚生年金を請求すれば支給されることが印字された支給額変更通知書が届きます)
その後、変更後の報酬月額の最初の支給月から起算して4か月目分以降の総報酬月額相当額が下がり年金の支給停止額が下がったことによって、老齢厚生年金の支給額が増えたら、その旨が印字された支給額変更通知書が再度届きます。
(ポイント)
●(「他の年金」の受給権がない人が)老齢基礎年金・老齢厚生年金ともに繰下げ待機を希望している場合を除き、年金請求書(はがき)を返送する
●年金の請求手続きと報酬設定変更とは関係がない
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