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在職老齢年金制度に関する専門用語について

在職老齢年金制度の「支給停止調整額」、「支給停止基準額」とは

(2025年4月7日)

在職老齢年金制度(年金と給与の調整)による年金支給停止額の計算式は次の通りです。


(令和6年度分の年金について)
・年金支給停止額(月額換算額)=(基本月額+総報酬月額相当額-50万円)÷2


(令和7年度分の年金について)
・年金支給停止額(月額換算額)=(基本月額+総報酬月額相当額-51万円)÷2



令和6年度分(令和7年3月分まで、つまり、令和7年4月支給分まで)の年金支給停止額計算式中の「50万円」という数字が
令和7年度分(令和7年4月分から、つまり、令和7年6月支給分から)は「51万円」に変わるだけですね。


この、「50万円」や「51万円」という数字の正式な名称は「支給停止調整額」といいます。(厚生年金保険法第46条に定めがあります)。


日本年金機構のホームページでも、この「支給停止調整額」という年金用語が用いられています。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/zaishoku/20150401-01.html


(注1)
「基本月額」とは、ざっくりいうと、調整の対象となる年金の月額換算額のことで、
{報酬比例部分の年金額(+基金代行額)}÷12で計算されます。

(注2)
「総報酬月額相当額」とは、ざっくりいうと、調整の対象となる給与・賞与の月額換算額のことで、
「標準報酬月額+その月以前の1年間の標準賞与額の総額÷12」で計算されます。



ただ、一般の方からすれば、「支給停止調整額」という年金用語はわかりにくい・難しそうだという感じがすると思います。


そこで、一般向けの書籍等では、「支給停止調整額」のことを「支給停止の基準額」とか「基準額」と言い換えて表現されていることがよくあります。


私(奥野)も、「基準額」という表現をよく使います。


社会保障審議会年金部会において厚生労働省が公表する資料などでは、「支給停止の基準額」という表現が使われていることが多いです。


いずれも、わかりやすくするための工夫ですので、条文上の表現(支給停止調整額)とは表現が異なっても、一般の方にとって意味は通りやすいかと思います。


しかし、まれに「支給停止調整額」のことを「支給停止基準額」と言い換えられていることがあります。


このような表現の説明を読まれる場合は、ご注意ください。


というのも、「支給停止基準額」という語も、厚生年金保険法第46条に出て来る年金用語であって、法律条文上、次の通り「支給停止調整額」とは異なる意味の用語だからです。


・「支給停止基準額」=(総報酬月額相当額+基本月額-支給停止調整額)÷2×12


このような「支給停止基準額」計算式中の「支給停止調整額」のことを「支給停止基準額」と言い換えると、おかしなこととなってしまいます。



つまり、「支給停止基準額」という用語を見た場合は、それが、
・「支給停止調整額」のことをわかりやすく言い換えたに過ぎないものなのか、
・厚生年金保険法第46条に定められている上記の定義の通り正しく用いられているものなのか、
を判読しないといけない、ということなのです。


これは、一般の方にはなかなか難しいことだと思います。


その点、一般の方にわかりやすいように「支給停止調整額」という固い表現を避けつつ、また、「支給停止基準額」という一見一般的な用語に見えるものの実は異なる固有の意味を持つため誤解が生じやすい年金用語を用いることも避けた表現が、厚生労働省が用いる「支給停止の基準額」という表現なのだと思います。


ただ、ビジネス書や雑誌・新聞連載などでは、「支給停止の基準額」という表現を繰り返し用いると読みにくくなるため、最も簡略化した「基準額」という表現を用いることが多いです。



雑誌・新聞・書籍等の原稿において「基準額」と書いた原稿について編集者さんから、「基準額」だけでは何の基準額かがわかりませんので「支給停止基準額」と修正してください、との依頼があることもあるのですが、そのときは、これまで述べたようなことを説明して理解してもらうこととなります。

 

年金・社会保険の専門用語と法改正

年金・社会保険はとにかく専門用語が多く誤解が生じやすいです。


その中でも特に厚生年金保険法の条文に出て来る多くの専門用語は、悩ましいところです。


厚生年金保険法の報酬、報酬月額、標準報酬月額や賞与、標準賞与額、総報酬月額相当額などの年金用語も
誤解が多いところですが、在職老齢年金制度関係の年金用語についても一般に誤解がとても多いです。


制度改正があるたびに新たな専門用語が増えますので、令和7年改正法でもまた悩ましい年金用語が増えることが予想されます。


2025年4月7日現在、改正法案の国会への提出が遅れており先行きが見通せない状況ですが、改正法施行日までに新しい内容を一般の方に十分理解いただく時間を確保するためにも、早く国会に法案を提出して審議を行って欲しいものです。
 

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