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(2026年6月3日)
Q.企業年金連合会の「基本年金」をもらえる人の年金支給停止額の計算方法とは?
6月上旬に届いた「年金額改定通知書」の注意点を教えて下さい。
(このページのポイント)
●6月15日の年金支給に先立ち、「年金額改定通知書」・「年金振込通知書」が送付されている
●通知書には、厚生年金基金や企業年金連合会からの年金額は記載されていない
●企業年金から支給される「基本年金」のうち、国から支給される年金がいくら支給停止されるかの決定にあたって加味される額(基金代行額)がいくらかは、年金額改定通知書や企業年金連合会老齢年金裁定通知書をみてもわからない
【回答】
公的年金額は毎年度4月分から年金額が改定されます。
年金と給与の調整のしくみ(在職老齢年金制度)の基準額も、毎年度4月分から改定されます(令和8年度基準額は65万円)。
4月分・5月分の年金は6月15日に支給されます。
今年度分の年金額が初めて支給されるのが6月15日ですので、それまでに今年度の年金額が記載された「年金額改定通知書」「年金振込通知書」が届きます。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tuutisyo/gakukaitei/0601-01.html
これらの通知書記載内容に関する相談は、毎年とても多いです。
ただ、国以外から支給される年金、つまり、厚生年金基金や企業年金連合会から支給される年金を受給している社長も多いです。
国以外から支給されるこれらの年金にも在職老齢年金制度の対象となるものとならないものがあるのですが、国以外から支給される年金については、日本年金機構から届く通知書には記載されていません。
これらの年金の詳細に関することは、日本年金機構では確認できない事項も多いため、相談を受けることが少なくありません(特に、在職老齢年金制度がどのように適用されるかについての質問が多いです)。
国以外から支給される年金で、受給している社長も多いものが、企業年金連合会から支給される「基本年金」です。
これは、平成26年3月末までに厚生年金基金を10年未満(基金によっては15年未満)の短期加入で中途脱退した人で、代行部分及び基本プラスアルファ部分の原資を企業年金連合会に移換した人に対して、老齢厚生年金(または特別支給の老齢厚生年金)の支給開始年齢以降、企業年金連合会から支給される年金です。
該当者には、原資の移換時に「年金の引継ぎのお知らせ(年金支給義務承継通知書)」が送付されています。
この「基本年金」には次の二つの部分が含まれています。
(1)老齢厚生年金(報酬比例部分)の一部を厚生年金基金が国に代わって代行支給するはずだった分
(2)基金が独自にプラスアルファ分として支給するはずだった分(のうち基本プラスアルファ部分)
「基本年金」を受け取るためには、老齢厚生年金(または特別支給の老齢厚生年金)の支給開始年齢を迎えたときに、国の年金の請求書を日本年金機構に提出するのとは別に、企業年金連合会に裁定請求書を提出する必要があります。
裁定請求書を出すと、企業年金連合会から「企業年金連合会年金証書」「企業年金連合会老齢年金裁定通知書」が届きます。
この裁定通知書には例えば、以下のような表示がされています。
基本年金額240,000円
代行年金額 0円
(省略)
合計年金額240,000円
支給停止額 0円
支払年金額240,000円
この例だと、企業年金連合会から支給される基本年金額(上記「(1)+(2)」の額)は、240,000円です。
基本年金額には上記(1)の部分も含まれているのですが、上記「(1)+(2)」の全額が在職老齢年金制度の対象外とされていますので、支給停止額は0円です。
ですから、240,000円全額が企業年金連合会から支給されます。
なお、国の年金は年6回偶数月に支給されますが、企業年金連合会から支給される年金は、年金額が15万円以上27万円未満の場合は、年3回(4月・8月・12月)支給です。
支払月・支払回数・各回の支払額も、企業年金連合会老齢年金裁定通知書に記載されていま。
では、国以外からの年金が企業年金連合会からの「基本年金」のみの人の場合、国から支給される年金の支給停止額はどのように計算されるのでしょうか(この点について知っている社長はほとんどいないため、よく質問があります)。
例えば、上記の基本年金年額240,000円を受給している人の、国から受給している年金の内訳を調べるためには、年金事務所(または街角の年金相談センター)で試算結果を受領する必要があります。
受領した試算結果において老齢厚生年金の内訳について、例えば、次のような記載があったとします。
基本年金額1,320,000円
報酬比例 1,200,000円
差額加算 120,000円
(省略)
配偶者加給 0円
加給年金額 0円
停止額 690,000円
内訳合計額 630,000円
基金代行額 180,000円(参考)
この社長の報酬月額が63.5万円以上(標準報酬月額65万円)で賞与なしであれば、令和8年度の在職老齢年金制度の支給停止額は、次のように計算されています。
・年金支給停止額(月額換算額)=(基本月額11.5万円+総報酬月額相当額65万円-基準額65万円)÷2=5.75万円
この「基本月額」(調整の対象となる年金額÷12)がいくらになるかがわからないため、年金を全額受給できる範囲で、最高いくらまでなら報酬月額を上げることができるかがわからない社長が多いです。
国以外から受けている年金が企業年金連合会の「基本年金」のみである場合の「基本月額」は、年金事務所発行の試算結果の「報酬比例+基金代行額」÷12です。
上記例であれば、「報酬比例1,200,000円+基金代行額180,000円(参考)」÷12=115,000円です。
企業年金連合会老齢年金裁定通知書記載の240,000円には、
(1)老齢厚生年金(報酬比例部分)の一部を厚生年金基金が国に代わって代行支給するはずだった分
だけでなく
(2)基金が独自にプラスアルファ分として支給するはずだった分(のうち基本プラスアルファ部分)
も含まれていますので、240,000円全額を基本月額の算出において含めるわけではありません。
年金事務所の試算結果記載の「基金代行額」とは、(1)について、もし国が支給するといくらになるか、という額です。
この「基金代行額」も含めて「基本月額」を算出し、国から支給する老齢厚生年金(報酬比例部分)がいくら支給停止されるかが記載されています。
しかし、年金事務所に試算結果をもらいに行かない人も多いですし、受領しても「基金代行額」と「基本年金額」の違いを知らない人が多いです。
さらに、国から送付される「年金額改定通知書」においては、老齢厚生年金について、上記例の場合であれば、次のような記載しかありません。
厚生年金保険
基本額1,320,000円
支給停止額690,000円
年金額 630,000円
「年金額改定通知書」における「基本額」とは、「老齢厚生年金(報酬比例部分)+差額加算」に相当する額、つまり、年金事務所発行の試算結果における「基本年金額」のことです。
一方で、これは「老齢厚生年金(報酬比例部分)+基金代行額」ではありません。
ですから、「年金額改定通知書」や「企業年金連合会老齢年金裁定通知書」だけを見ても、なぜ690,000円が支給停止されているのかを理解することは困難です。
また、年金事務所発行の試算結果に記載されている「基本年金額」と、企業年金連合会老齢年金裁定通知書に記載されている「基本年金額」は、同じ名称でありながら意味する内容が異なります。この点も、在職老齢年金制度による年金支給停止額計算の仕組みを理解しにくくしている要因の一つといえるでしょう。
(今日のポイント)
●6月15日の年金支給に先立ち、年金額改定通知書・年金振込通知書が送付されている
●通知書には、厚生年金基金や企業年金連合会からの年金額は記載されていない
●「基本年金」のうち、国から支給される年金がいくら支給停止されるかの決定にあたって加味される額(基金代行額)がいくらかは、年金額改定通知書や企業年金連合会老齢年金裁定通知書をみてもわからない

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