60歳以上現役社長の老齢厚生年金受給・役員報酬最適化なら滋賀県大津市の労務財務の専門家・FP奥野文夫事務所にお任せください!
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(2026年3月2日)
・令和8年度から在職老齢年金の基準額は 65万円 に引上げ
・総報酬月額相当額が65万円の社長は令和8年度分の老齢厚生年金は半額支給停止
・給与設定によっては 全額受給も可能
【よくある質問】
Q.4月からは老齢厚生年金の半額をもらえるようになるのですか?
代表取締役として働いていても半額をもらえるのでしょうか。
【回答】
代表取締役等として高額報酬を受けながら働いていたとしても、令和8年4月分からは老齢厚生年金(報酬比例部分)を半額受給できるようになるケースが多いと考えられます。
しかし、すべての方が半額受給できるようになるわけではありません。
厚生年金保険被保険者または70歳以上被用者として働きながら老齢厚生年金(報酬比例部分)を何%受けられるかは、調整対象となる年金額および給与設定により異なります。
・令和7年度(2025年度)基準額 51万円
・令和8年度(2026年度)基準額 65万円
この改正により令和8年度から、給与と年金の調整が大きく緩和されます。
令和7年改正法の施行により、令和8年度分の在職老齢年金制度による年金支給停止額計算式は次の通りと変わります。
(令和7年度分)
・年金支給停止額(月額換算額)=(基本月額+総報酬月額相当額-令和7年度基準額51万円)×1/2
(令和8年度分)
・年金支給停止額(月額換算額)=(基本月額+総報酬月額相当額-令和8年度基準額65万円)×1/2
(注1)基本月額;調整対象となる年金の月額換算額のこと
「老齢厚生年金(報酬比例部分)または特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)」÷12で算出される。基金代行額がある場合は「基金代行額も含めた額」÷12。
なお、ここでは、65歳到達月の翌月分以降で基金代行額がないケースを前提に解説するため、「基本月額=老齢厚生年金(報酬比例部分)÷12」として説明します。
(注2)総報酬月額相当額:調整対象となる給与・賞与の月額換算額のこと
「標準報酬月額+その月以前の1年間の標準賞与額の総額÷12」で算出される。
(注3)令和8年度基準額65万円は、令和7年改正で定められた「62万円」に令和7年度以後の各年度の名目賃金変動率を乗じて1万円単位で端数処理された額(令和8年4月1日施行の厚生年金保険法第46条第3項)。令和9年度以後も名目賃金変動率に応じて1万円単位で改定される可能性がある。
ちなみに、令和8年度分(令和8年4月分から令和9年3月分)の年金が初めて支給されるのは令和8年6月15日です(令和8年4月分・5月分が支給)。
例年通りであれば、令和8年度の年金額・支払期月の振込額を知らせる年金額改定通知書・振込通知書が6月上旬頃郵送されてきます。
在職老齢年金制度によりこれまで老齢厚生年金(報酬比例部分)の全部または大部分が支給停止であった経営者の多くも、令和8年度分からの基準額大幅引上げにより給与と年金の調整が緩和されるため、6月支給分から受給できる年金額が増えることとなります。
経営者の多くは標準報酬月額65万円(報酬月額635,000円以上)で、その月以前の1年間の標準賞与額の総額が0円(事前確定届出給与など厚生年金保険法上の賞与を受けていない)です。
この場合、総報酬月額相当額は65万円です(標準報酬月額65万円+その月以前の1年間の標準賞与額の総額0円÷12)
そのような給与設定の人の老齢厚生年金(報酬比例部分)が144万円で基金代行額がないとします(つまり、「基本月額」=144万円÷12=12万円)。
このような人は令和7年度分の老齢厚生年金(報酬比例部分)については、在職老齢年金制度により全額支給停止となっています。
・年金支給停止額(月額換算額)=(基本月額12万円+総報酬月額相当額65万円-令和7年度基準額「51万円」)
×1/2=13万円>基本月額12万円
したがって、老齢厚生年金(報酬比例部分)は全額支給停止。
それに対し、総報酬月額相当額が65万円・基本月額12万円の人の令和8年度の年金支給停止額は次の通りとなります。
・年金支給停止額(月額換算額)=(基本月額12万円+総報酬月額相当額「65万円」-令和8年度基準額「65万円」)×1/2=基本月額12万円×1/2=6万円
このケースでは令和8年度分については、たまたま「総報酬月額相当額」=「基準額」=65万円となるため、年金支給停止額(月額換算額)=「基本月額」×1/2となります。
つまり、老齢厚生年金(報酬比例部分)は半額支給停止され、半額を受給できることとなります。
この計算式から分かる通り、「総報酬月額相当額」が65万円の人は、令和8年度分の老齢厚生年金(報酬比例部分)については、その額がいくらであっても(「基本月額」がいくらであっても)半額支給停止となります。
総報酬月額相当額が65万円ではない人の場合は、令和8年度分の老齢厚生年金(報酬比例部分)は半額支給停止とはなりません。
(ケース1)
例えば、老齢厚生年金(報酬比例部分)144万円(基本月額12万円)・総報酬月額相当額59万円の人(報酬月額60万円・賞与受給なしで今後の給与設定に変更のない人など)なら、4分の1支給停止となります(月額12万円の年金のうち3万円だけが支給停止となり、月額9万円が支給)。
・年金支給停止額(月額換算額)=(基本月額12万円+総報酬月額相当額「59万円」-令和8年度基準額「65万円」)×1/2=3万円
したがって、老齢厚生年金(報酬比例部分)は4分の1支給停止・4分の3支給。
このように、総報酬月額相当額が65万円未満なら、令和8年度分の老齢厚生年金(報酬比例部分)は半額未満の支給停止(または全額支給)となります。
(ケース2)
また、老齢厚生年金(報酬比例部分)144万円(基本月額12万円)・総報酬月額相当額77万円の人(報酬月額635,000円・その月以前の1年間に144万円の事前確定届出給与を1回受給し今後の給与設定に変更のない人など)なら、全額支給停止となります。
・総報酬月額相当額=(標準報酬月額65万円+その月以前の1年間の標準賞与額の総額144万円÷12)=77万円
・年金支給停止額(月額換算額)=(基本月額12万円+総報酬月額相当額「77万円」-令和8年度基準額「65万円」)×1/2=12万円=基本月額
したがって、老齢厚生年金(報酬比例部分)は全額支給停止。
このように、総報酬月額相当額が65万円を超える場合は、令和8年度分の老齢厚生年金(報酬比例部分)は半額を超える支給停止(最大で全額支給停止)となります。
以上のように、令和8年度分の老齢厚生年金(報酬比例部分)をどの程度受給できるようになるかは、基本月額・総報酬月額相当額により各人異なります。
働きながら老齢厚生年金(報酬比例部分)を全額受給できるようにするため、給与月額を調整しようとする社長も少なくありません。
しかし、このとき注意が必要なのが給与月額(報酬月額)と標準報酬月額の違いです。
例えば給与月額を55万円に設定した場合、標準報酬月額は56万円となります。
給与月額が545,000円以上575,000円未満なら、「標準報酬月額」は「56万円」となるからです。
(注)例えば3月決算の法人で、令和8年6月支給分の給与月額を55万円に下げたとしたら、給与月額55万円を最初に支給した6月から起算して4か月目、つまり、令和8年9月以降の「総報酬月額相当額」が、「55万円」ではなく「56万円」となります。
「標準報酬月額」55万円・その月以前の1年間の賞与受給なし、「基本月額」10万円の場合、「標準報酬月額」や「総報酬月額相当額」(標準報酬月額+その月以前の1年間の標準賞与額の総額÷12)は56万円となるため、年金を全額受給できると考えて給与を55万円に設定してしまうと、実際には次の通り、一部支給停止となってしまいます。
・令和8年9月以降の「総報酬月額相当額」=「標準報酬月額」56万円+その月以前1年間の標準賞与額の総額0円÷12=56万円
したがって、
令和8年9月分の年金支給停止額=「総報酬月額相当額56万円+基本月額10万円-基準額65万円」×1/2=5,000円
となり、
令和8年9月分の年金額=「基本月額」10万円-年金支給停止額5,000円=9万5,000円となるため、
老齢厚生年金(報酬比例部分)は、ごく一部が支給停止となります。
このように、給与月額(報酬月額)と「標準報酬月額」との対応関係を確認しないまま給与月額を決めたことにより、年金を全額受給できるつもりが一部支給停止となってしまった事例を目にすることは、昔から大変多いです。
令和8年度は、基準額の大幅引き上げにより、年金を全額受給したいと考える方が増えると思われます。
給与設定変更を検討される場合は、給与月額(報酬月額)と「標準報酬月額」との対応関係を必ず保険料額表で確認されることをおすすめいたします。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r8/ippan/R8_13tokyo.pdf
保険料額表の報酬月額を見るとわかる通り、例えば、「標準報酬月額」56万円となる「報酬月額」は545,000円以上575,000円未満であるように、すべて、「○○万円以上××万円未満」となっています。
保険料額表記載の報酬月額の「××万円未満」のところを「××万円以下」と読み間違えて、給与設定ミスをしてしまう事例もとても多いですので、併せてご注意ください。
このような給与設定のミスは、在職老齢年金制度の実務では昔から非常に多く見られます。
令和8年度からの在職老齢年金制度の基準額引上げにより、これまで老齢厚生年金(報酬比例部分)が全額支給停止となっていた社長・役員の中には、一部でも受給できるようになる人が増えます。
このことにより、老齢厚生年金への加給年金額の加算が始まるケースも多くなるでしょう。
なぜなら、在職老齢年金制度による老齢厚生年金(報酬比例部分)と加給年金額の関係は次の通りとなっているからです。
・在職老齢年金制度により老齢厚生年金(報酬比例部分)が全額支給停止となっている場合は、加給年金額の受給権があっても支給停止となり実際の支給は行われない
・しかし、老齢厚生年金が一部でも支給されるようになると、その月分から加給年金額は支給停止されることなく全額支給される
ところで、加給年金の受給権がある人とは、次の1・2のいずれかに該当する人です(その後、失権していない場合に限ります)。
1.65歳到達月の前月までの厚生年金保険加入期間の月数が240月以上で、65歳到達時に生計を維持している65歳未満の子または原則18歳年度末までの子がいた人
2.65歳到達月以後、在職定時改定や70歳時改定、または退職時改定で、老齢厚生年金額の計算の基礎となる厚生年金保険加入期間の月数が240月以上となり、これらの改定時において、生計を維持している65歳未満の子または原則18歳年度末までの子がいた人
上記1・2のいずれかに該当する人が、在職老齢年金制度により老齢厚生年金(報酬比例部分)の全額が支給停止となっていた場合、在職老齢年金制度の基準額引上げにより令和8年4月分以降の老齢厚生年金(報酬比例部分)が全額支給停止ではなく一部でも支給されることとなると、加給年金額の受給権がある人については、(引き続き加給年金額が加算される要件を満たしていれば)令和8年4月分から加給年金額も実際に支給が開始されることとなります。
例えば、配偶者加給年金額(特別加算額を含む)の令和8年度額は、受給権者が昭和18年4月2日以降生まれの場合、年額423,700円です(令和7年度は415,900円)。
(典型事例)給与月額63万5千円以上(令和8年度標準報酬月額65万円)・賞与なし(総報酬月額相当額65万円)、老齢厚生年金(報酬比例部分)年額144万円(基本月額12万円)の66歳社長、65歳到達月の前月までの厚生年金保険加入期間の月数240月以上、65歳到達時に生計を維持している60歳の配偶者(厚生年金保険加入期間の月数240月以上の特別支給の老齢厚生年金や繰上げ支給の老齢厚生年金、障害年金の受給権はなし。前年の年収850万円未満)おり、現在にいたるまでも今後も生計維持。
●令和7年度分の年金
・年金支給停止額(月額換算額)
=(総報酬月額相当額65万+基本月額12万円-令和7年度基準額51万円)×1/2=13万円>基本月額12万円
つまり、老齢厚生年金(報酬比例部分)は全額支給停止
したがって、配偶者加給年金額も、(受給権はあるものの)全額支給停止。
●令和8年度分の年金
・年金支給停止額(月額換算額)
=(総報酬月額相当額65万+基本月額12万円-令和8年度基準額65万円)×1/2=6万円
つまり、老齢厚生年金(報酬比例部分)は半額支給停止・半額支給
したがって、配偶者加給年金額は全額支給。
この事例のように、高額報酬の社長役員については、令和8年度分から(令和8年6月15日支給分から)老齢厚生年金の受給額が大きく増える人が多くなります。
この事例なら、新たに受給できることとなる年金の額は、老齢厚生年金(報酬比例部分)年額72万円と配偶者加給年金額約42万円の合計約114万円となります。
年金改正について知らない方の中には、6月15日の年金支給日の前に送られてくる年金額改定通知書・年金振込通知書を見て驚く人もおられるでしょう。
●令和8年度の在職老齢年金制度の基準額は65万円
●「基本月額+総報酬月額相当額」が65万円以下なら、令和8年度分の老齢厚生年金(報酬比例部分)を全額受給できる
●総報酬月額相当額が65万円なら、令和8年度分の老齢厚生年金(報酬比例部分)を半額受給できる
●総報酬月額相当額が65万円未満なら、令和8年度分の老齢厚生年金(報酬比例部分)は半額未満の支給停止(または全額支給)となる
●総報酬月額相当額が65万円を超える場合は、令和8年度分の老齢厚生年金(報酬比例部分)は半額を超える支給停止(最大で全額支給停止)となる
●給与設定変更を検討する際には、給与月額と標準報酬月額の対応関係に注意
●加給年金額の受給権がある人が令和8年度から老齢厚生年金(報酬比例部分)の一部でも受給できるようになることで、加給年金額の加算が開始される例も多く生じると見込まれる
以上、令和8年度(2026年度)の在職老齢年金制度の概要をケーススタディを用いて解説しました。
働いている間はほぼ全額支給停止とあきらめていた社長様方も、改正により半額程度は受給できるようになるとわかると、どうせなら半額ではなく全額受給したい、と思う方もおられるようです。
ただ、年金全額受給のための役員給与設定変更を検討される場合は、上記のような令和8年4月分時点での年金支給停止額計算に関する一般的な解説のみを元に検討することは危険です。
令和8年4月分(6月支給分)から老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給停止額が減ったとしても、令和9年度以降給与設定は変えなくても、令和9年9月~・令和10年9月~・令和11年9月~とまた支給停止額が増えていく方も経営者層では多くなることが予想されます。
老齢厚生年金(報酬比例部分)が全額支給停止に戻ることとなるケースもあります。
令和7年度年金法改正により、令和9年9月から・令和10年9月から・令和11年9月からと段階的に厚生年金保険の標準報酬月額の上限が引き上げられることが決まっており、改定後の上限に該当する人は、年金支給停止額計算に用いられる総報酬月額相当額が増えることとなるからです。
令和8年10月分以降の年金支給停止額は、以下の要素によって何度も変動する可能性があります。
・調整対象となる年金額(基本月額)は、毎年度改定される
・毎年度4月分からの年金額改定
・65歳以上70歳未満の厚生年金保険被保険者についての毎年度10月分からの在職定時改定
・70歳到達月の翌月分からの70歳時改定
・基準額(令和8年度は65万円)も、毎年度改定される可能性がある
(今後の給与設定を変えない場合であっても、令和9年度以後の年金支給停止額の推移がどうなるかは物価・賃金の変動の影響を受けますので、令和7年3月現在まだ確定した額はわかりません)
また、社長・役員の年金受給のための役員給与設定変更に際しては、厚生年金保険法や健康保険法の規定だけではなく、役員給与決議に関する様々な法令の規定や、社長のライフプラン・リタイアメントプラン・役員退職金算定基準との兼ね合いも踏まえた上で検討する必要があります。
今後の給与設定を変更する場合・変更しない場合で会社・本人にどのような違いが生じるかもシミュレーションした上で決定することが重要です。
今後の役員給与設定変更の検討にあたっては、専門家のコンサルティングを受けることをおすすめします。
同じ年金額・同じ年収でも社長の老齢厚生年金(報酬比例部分)は、
・全額受給
・半額支給停止
・全額支給停止
と結果が大きく変わることがあります。
また、役員報酬の設定は
・退職金
・会社の営業利益
・ご本人の可処分所得(手取り収入)
にも影響します。
現在の役員給与設定だと老齢厚生年金の全額を受給できない社長様も、年収を変えずに役員給与設定を変えることで全額受給できるようになります(年金復活プラン)

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