60歳以上現役社長の老齢厚生年金受給・役員報酬最適化なら滋賀県大津市の労務財務の専門家・FP奥野文夫事務所にお任せください!

中小企業社長さまの老齢厚生年金・社会保険等に関するお悩みを解決します。


FP奥野文夫事務所

〒520-0106 滋賀県大津市唐崎3-23-23

営業時間

月〜金 9:00〜18:00
(定休日:土日祝日)

FAX

077-578-8907

「ねんきん定期便」は国民年金や厚生年金保険に加入している人に年1回誕生月に届く

(2018年9月5日)

「ねんきん定期便」の読み方を間違えて、もらえる年金額が少ないと誤解している人が、50歳未満の場合・50歳以上の場合を問わずみられることについては、以前に触れました。


経営者の年金と「ねんきん定期便」の記載内容について知っておいた方がよいことが他にもありますので、以下に解説していきたいと思います。

 

 

「ねんきん定期便」は、どういう人に届くのか

「ねんきん定期便」は、国民年金や厚生年金保険に加入している人のもとに、毎年1回誕生月に届きます。

特別支給の老齢厚生年金や老齢厚生年金をもらいながら厚生年金保険に加入して働いている人のもとにも「ねんきん定期便」は届きます。

節目年齢(35歳、45歳、59歳)の誕生月には水色のA4版の定期便が届き、それ以外の年齢の誕生月にはハガキ形式の定期便が届きます。

ハガキ形式の定期便は、日本年金機構の「ねんきんネット」(https://www.nenkin.go.jp/n_net/)でも、電子版(PDFファイル)を確認することができます。

なお、「ねんきんネット」では、「ねんきん定期便」の郵送が不要である旨を登録することができるようになっていますが、郵送不要と登録した人にも、節目年齢には定期便が郵送されます。

 

「特別支給の老齢厚生年金」をもらえる年齢になっているのに、「ねんきん定期便」に年金見込額が記載されている人とは

経営者のもとに届く「ねんきん定期便」に記載されている年金額の意味は、次の通り年齢によって大きく異なります。

 

50歳未満:これまでの年金加入実績に応じた年金額

50歳以上60歳以下:定期便作成月の前々月の報酬額のまま60歳まで厚生年金保険に加入し続けたと仮定した場合の年金見込額

61歳以上で特別支給の老齢厚生年金受給前:定期便作成月時点の年金加入記録に基づいた年金見込額

・特別支給の老齢厚生年金を受給中:年金見込額の記載なし

特別支給の老齢厚生年金をもらいながら厚生年金保険に加入している人にも、「ねんきん定期便」は届きます。

しかし、その人に届く年金定期便にはもう年金見込額は記載されていません。

 

(特別支給の老齢厚生年金を受給後も厚生年金保険に加入し続けると、毎月厚生年金保険の被保険者期間の月数は増えていきます。

しかし、年金額は毎月増えるわけではなくて、65歳になったときか、それまでに退職して1月経過したときにだけ、特別支給の老齢厚生年金をもらえるようになってからの厚生年金保険加入記録が年金額に反映します。

65歳以降の年金加入記録も同様に、70歳になったときか、それまでに退職して1月経過したときにだけ、年金額に反映します。)

 

一般的な年金解説本では、以上のような解説がされています。

 

ところが、中小企業経営者の年金相談に応じていると、特別支給の老齢厚生年金をもらえる年齢を過ぎているのに、まだ「ねんきん定期便」に年金見込額が記載されている人がたくさんいます。

 

これは、なぜでしょうか。

 

(答)特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢を迎えたのに、「年金請求手続きをまだ行っていない厚生年金加入者」に届く「ねんきん定期便」には年金見込額がまだ記載されています。

 

1.61歳以上で特別支給の老齢厚生年金受給前の経営者、つまり、厚生年金保険の被保険者に届く定期便には、定期便作成月時点の年金加入記録に基づいた年金見込額が記載されています。

 

2.一方、61歳以上で特別支給の老齢厚生年金を受給中の経営者、つまり、厚生年金保険の被保険者であって、かつ、特別支給の老齢厚生年金の受給者に届く定期便にはもう年金見込額は記載されていません。

 

60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢を迎えているにもかかわらず、年金請求手続きをまだ行っていない経営者には、上記1のケースと同様、定期便作成月時点の年金加入記録に基づいた年金見込額が記載された定期便が届きます。

 

実態としては厚生年金保険被保険者、かつ、特別支給の老齢厚生年金の受給権者であったとしても、年金請求手続きを実際に行っていない限り、特別支給の老齢厚生年金の受給者であると自動的に国に認められることはありません。
 

ですから、引き続き、厚生年金保険被保険者向けの定期便、つまり、年金見込額が記載された定期便が届きます。

 

経営者の場合、高額報酬を受けているため、在職老齢年金の規定により65歳までの特別支給の老齢厚生年金は全額支給停止となっている人がほとんどです。

 

そのため、年金をもらえる年齢になってもまだ年金の請求を行っていない人がとても多く、年金見込額が記載された定期便を受け取る人がたくさんいます。

 

65歳を過ぎてもまだ年金の請求を行っておらず、年金見込額が記載された定期便を受け取る人もいます。

 

特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢を過ぎているのに年金見込額が記載された「ねんきん定期便」を受け取った経営者をみかけたら、「年金請求手続きがまだお済みではないのですね。」と伝えてみるようにしています。

 

「はい、まだ請求していません。どうしてわかったのですか。」「はい。年金事務所に相談に行ったら、今の報酬だと請求してももらえないと言われました。どうせもらえないのなら請求しても無駄だと思って請求していないのです。」などの反応が返ってきます。

そこで、
「報酬が高いため年金が全額支給停止となる場合であっても、年金の請求手続きだけは行っておいた方がよいですよ。」と伝えることにしています。

 

60歳代前半の特別支給の老齢厚生年金の年金請求手続きを行っておけば、65歳からの年金請求手続きが、ハガキ形式の年金請求書を返送するだけの簡易な手続きで済みますので。

 

また、もし今後報酬設定を変更して年金をもらえるようになったときも、事前に年金請求手続きを終えておいた方が、年金が実際に支給されるまでに日数がかからずに済みます。

その他、報酬設定を変更して年金をもらえるようになったのに、請求を忘れたまま時効(5年)が過ぎてしまって年金のもらいもれが発生する危険も無くすことができます。

 

 

(ポイント)

●特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢を過ぎているのに年金見込額が記載された「ねんきん定期便」を受け取っている人は、年金請求手続きをまだ行っていない人。

●特別支給の老齢厚生年金が全額支給停止でもらえない人も、年金請求手続きは行うべき。

 

  

50歳以上の人に届く「ねんきん定期便」に年金見込額が記載されていない場合とは

(2018年9月21日)

50歳以上の人に毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」には、60歳台前半および65歳以降の年金見込額が記載されています。


しかし、50歳以上の人に届いた「ねんきん定期便」に年金見込額の記載がされていない場合があります。

 

次の場合には、50歳以上であっても、年金見込額の記載がない「ねんきん定期便」が届きます。

1.
老齢年金を受給しながら厚生年金保険に加入している人
2.
まだ老齢年金の受給資格期間を満たしていない人
3.
JRJTNTT共済組合や農林共済組合加入期間がある人

順番にみていきましょう。

 

1.老齢年金を受給しながら厚生年金保険に加入している人

「ねんきん定期便」は国民年金または厚生年金保険に加入している人のもとに届く書類です。

ですから、年金世代の現役経営者のように、老齢年金を受給しながら厚生年金保険に加入している人のもとにも、毎年誕生月に「ねんきん定期便」が届きます。

 

しかし、既に老齢年金を受給している人(厚生年金保険被保険者であり、特別支給の老齢厚生年金の受給者でもある人等)に届く定期便にはもう年金見込額は記載されていません。

 

2.まだ老齢年金の受給資格期間を満たしていない人

 

老齢年金を受給するためには、公的年金に10年以上加入する必要があります。

 

公的年金に10年以上加入したことを、老齢年金の「受給資格期間」を満たしたといいます。

 

老齢年金の「受給資格期間」を満たすことは、65歳からの老齢基礎年金・老齢厚生年金をもらうためにも、65歳までの特別支給の老齢厚生年金をもらうためにも必要な要件です。

 

ですから、まだ公的年金に10年未満しか加入していないため老齢年金の受給資格期間を満たしていない人のもとに届く「ねんきん定期便」には年金見込額は記載されていません。

 

今後60歳まで公的年金に加入し続けたら10年以上加入を満たす、という場合であっても、現時点で日本年金機構が把握している情報だけで10年以上加入を満たしていない場合は、年金見込額は記載されません。

 

中小企業社長の場合、次のような人もいます。

・若いころ個人事業として起業したが国民年金保険料をずっと払っていなかった。

・法人化した後も厚生年金保険に加入せず、国民年金保険料も払わなかった。

・最近、日本年金機構の社会保険加入勧奨を受け、やっと厚生年金保険に加入したが、まだ加入した期間が少ないため、老齢年金の「受給資格期間」を満たしていない。

 

このような事例をみかけた場合は、合計10年加入を満たせば、老齢年金の受給資格期間を満たすことを伝えてあげてください。

 

なお、現時点で日本年金機構が把握していない「合算対象期間」(カラ期間)等がもしあれば、「ねんきん定期便」に年金が記載されていなくても、すでに受給資格期間を満たしている可能性もあります。

 

(注)合算対象期間とは

任意加入できるのに任意加入しなかった期間など、老齢年金の年金額には反映しないものの、老齢年金の受給資格期間を計算する際には算入できる期間

例)
・昭和
3641日から昭和61331日までに厚生年金保険加入者や共済組合員の配偶者であった期間で、20歳以上60歳未満の期間
・昭和3641日から平成3331日までに学生であった期間で、20歳以上60歳未満の期間

 

なお、50歳以上であれば、現時点で受給資格期間を満たしていない場合であっても、年金事務所の年金相談で、「合算対象期間」や今後の公的年金加入見込を伝えて条件を入力してもらえば、老齢年金見込額が記載された「制度共通年金見込額照会回答票」をもらうこともできます。

 
3.JRJTNTT共済組合や農林漁業団体職員共済組合加入期間がある人

 

過去にJRJTNTT共済組合や農林漁業団体職員共済組合に加入した期間がある人の場合に、老齢年金の受給資格期間を満たしていても、このような「ねんきん定期便」が届きます。
 

JRJTNTT共済組合の年金が厚生年金保険に統合されたのは平成941日で、農林漁業団体職員共済組合の年金が厚生年金に統合されたのは平成1441日です。


どちらも統合からかなりの年数が経っていますが、統合日前にこれらの共済組合に加入されていた人に届く「ねんきん定期便」では今でも年金見込額の表示がない事例が多くあります。
 

これらの共済組合加入期間がある経営者から年金相談を受けることもあります。

 

年金見込額が書かれていない定期便を受け取って驚く方もおられます。


年金事務所の年金相談では、(日本年金機構がデータを把握している限りで)共済加入期間も含めた年金額を確認することが可能です。


年金事務所でもらえる「制度共通年金見込額照会回答票の「統合共済」と表示された記録を見れば、過去の共済加入期間も確認できます。

  

経営者様からのお電話でのお申込みはこちら

お電話でのお申込みはこちら

077-578-8896

営業時間:9:00〜18:00 (定休日:土日祝日)
担当:奥野 文夫 (おくの ふみお)

現在大変多くコンサルティングのお申込みをいただいており、無料電話相談は行っておりません。
(奥野の留守中にお電話いただき、伝言いただきましても、こちらから折り返しお電話をすることはできません。)

所長の奥野です。

社長さまのお悩みを、
年金・社会保険相談の専門家(FP・社労士)として開業24年超の私が、最後まで責任を持って解決いたします。

無料メール講座
(全国対応)

中小企業経営者様限定

60歳以上現役社長が働きながら年金を受け取るために必要な基礎知識(全13回)を無料で
ご覧いただます!

 

無料メール講座登録はこちら

(社労士、税理士、コンサルタント、FP等同業者の登録はご遠慮ください。)