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繰下げするつもりで待機していた経営者が、繰下げをしないこととする場合

65歳にさかのぼって老齢基礎年金や老齢厚生年金を請求する手続きと65歳以降の役員給与設定

(2021年5月24日)

老齢基礎年金や老齢厚生年金を66歳以降に繰下げるつもりで、繰下げるつもりの年金についての請求手続きを行わずに66歳以降まで待機していたものの、何らかの理由で、繰下げせずに原則通り65歳から受給したくなることもあり得ます。



例えば、65歳からの年金額が約200万円(老齢基礎年金約78万円+老齢厚生年金122万円)の人が、65歳からの老齢厚生年金が全額受給できるような役員給与設定に事前に変更しておいた上で、70歳まで老齢基礎年金を繰り下げて、70歳から284万円(200万円×1.42倍)に増額された年金を生涯にわたって受給するつもりで待機していたとします。



ところが、例えば、69歳になったときに、老齢基礎年金および老齢厚生年金、またはいずれか片方の年金を65歳にさかのぼって受給したくなったときは、65歳にさかのぼって請求することもできます。



もし、老齢基礎年金も老齢厚生年金も65歳にさかのぼって請求したとすると、繰下げ増額されない年金(約200万円×4年分)を一括で受け取り、69歳からは増額されない年金約200万円を生涯にわたって受給することとなります。



(参考)
特別支給の老齢厚生年金の受給権者であった人が、老齢基礎年金および老齢厚生年金、またはそのいずれか一方の年金を66以後に65歳からの支給を請求するときの請求書(様式第236号)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/todokesho/rourei/20140421-01.files/0000002326.pdf


この請求書により、繰下げ受給ではなく65歳にさかのぼっての受給を希望していることを意思表示することとなります。



以上の説明は一般的な内容ですから、見聞きされたことがあるかもしれません。


ただ、以上のような説明における年金額は、遅くとも「65歳となる月の前々月までに65歳からの老齢厚生年金が全額受給できるような給与設定に変更」していることを前提としたものです。




社長・役員の場合は、「65歳となる月の前々月までに65歳からの老齢厚生年金が全額受給できるような役員給与設定に変更」していなかったため、


1.70歳まで繰下げたとしても、老齢基礎年金は1.42倍に増えるものの、老齢厚生年金は1.42倍には増えない人がほとんどです(ほとんど増えない人も多いです)。

2.65歳にさかのぼって受給する請求をしても、老齢基礎年金は全額受給できるものの、老齢厚生年金はごく少額しかもらえない人が多いです。


65歳から老齢厚生年金を受給したい人だけでなく、66歳以降に繰下げするつもりで待機するつもりの人も、年金の請求について考える前に、遅くとも「65歳となる月の前々月までに65歳からの老齢厚生年金が全額受給できるような役員給与設定に変更」しておく必要があります。


役員給与設定の変更は、原則として事業年度開始日から3か月以内に開催される株主総会等でしか変更することができませんので、会社の決算月とご本人の生年月日によっては、かなり前から役員給与設定変更をしておく必要があることとなります。


以上のことをご存じない社長がほとんどのため、65歳になる約3か月前(特別支給の老齢厚生年金の請求手続きをしていない人の場合)~65歳になる月の末日まで(特別支給の老齢厚生年金の請求をした人の場合)に、65歳からの年金に関する相談をいただくことが多いです。


年金請求について考える前に役員給与設定を考えることの大事さを多くの社長様に伝えたいと考えて書いた本が、次の本です。
『社長の年金 よくある誤解から学ぶ在職老齢年金』


65歳になる月の前々月を過ぎている方の場合も、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となるような役員給与設定となっているのであれば、繰下げを検討している・いないに関わらず、また、繰下げをするかどうかを検討するよりも先に、老齢厚生年金が支給停止とならないような役員給与設定への変更を検討することの方が優先度が高いです。

 

役員給与設定の変更が遅れた経営者の老齢厚生年金受給について

(2021年5月28日)

高額報酬のため老齢厚生年金がほとんど支給停止となっている経営者が、65歳からの老齢厚生年金を働きながら受けたり、繰下げて、例えば、70歳まで繰下げた場合に1.42倍に増額したい場合は、役員給与設定を事前に変更しておく必要があります。
しかし、多くの経営者がそのことを知らないまま65歳を迎えます。


1.まず、

65歳になる月の前々月までに65歳からの老齢厚生年金を全額受給できるような役員給与設定にしておかないと、
(1)65歳からの老齢厚生年金を全額受給することはできないし、

(2)65歳からの老齢厚生年金を66歳以降に繰下げて繰下げ申出したとしても、年金額はあまり増えないし、


(3)65歳からの老齢厚生年金を66歳以降に繰下げるつもりで繰下げ待機したものの、最終的に繰下げ申出しないで65歳にさかのぼって受給するとしても、全額は受給できません。

2.そして、
65歳になる月の前々月までに65歳からの老齢厚生年金を全額受給できるような役員給与設定にしておくことができなかったため、次に役員給与設定変更ができるタイミングで(次回の定時株主総会等で)変更する場合は、

変更後の役員給与支給月から数えて4か月目分からは老齢厚生年金を全額受給することも可能となる((1)や(3)を選択した場合)し、

(2)65歳からの老齢厚生年金を66歳以降に繰下げて繰下げ申出したとしたら、「繰下げ月×0.7%」までは年金額が増えないものの、ある程度増額することは可能です。

(原則通り65歳から受けるのと比べて具体的に何倍に増えるかは、65歳になった月の翌月から繰下げ申出した月までのすべての月の役員給与設定が具体的にどのようなものであったかによります)


なお、上記2の場合、過去に支給済みの役員給与設定をさかのぼって変更することは不可能ですので、(1)(2)(3)いずれであっても、効果が生じるのは、これから変更後の役員給与を支給した月から数えて4か月目分からです。

それ以前の月分の老齢厚生年金を全額受給することはできませんし((1)や(3)を選択する場合)、(2)65歳からの老齢厚生年金を66歳以降に繰下げて繰下げ申出しても「繰下げ月×0.7%」までは年金額は増えません。

 

 65歳からの老齢基礎年金・老齢厚生年金の繰下げ手続きの概要についてはこちら
 

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