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年金を繰り下げ待機中の人の役員給与・役員退職金について、注意すべき点とは

(2022年1月17日)

老齢厚生年金の繰下げ待機と役員給与設定

中小企業のオーナー社長(60歳台後半・報酬月額60万円程度以上)が老齢年金を70歳まで繰り下げた後、退職して役員退職金を受給する予定の場合、注意すべき点について以下に解説します。

●年金繰下げによる効果とは
 

老齢基礎年金や老齢厚生年金を繰り下げると、繰下げ月数、すなわち受給権取得月(通常は65歳到達月)から繰下げ申出月の前月までの月数に応じ、繰下げ月数×0.7%、額面の年金額が増額されます。増額の対象となる年金は、65歳到達月の前月までの年金加入記録に基づいた年金です。

 

●老齢厚生年金の繰下げ待機と役員給与設定 

以上の説明は、遅くとも65歳到達月の前々月支給分の給与から、老齢厚生年金が全額受給できるような設定に変更していることを前提としたものです。

しかし、社長・役員の場合は、65歳到達月の前々月支給分からの役員給与を、老齢厚生年金を全額受給できるような設定に変更していなかったため、以下の12となる人がほとんどです。

170歳(注1)まで繰下げたとしても、老齢基礎年金は1.42倍(注2)に増えるものの、老齢厚生年金は1.42倍(注2)には増えない(報酬比例部分はまったく増えず、経過的加算部分が増えるだけの人も多い)

(注1)昭和2742日以後生まれの人の場合は、最高75歳まで繰下げ可能となります。

(注2)昭和2742日以後生まれの人が75歳まで繰下げる場合は、1.84

270歳までに、繰下げをしないで本来の請求(65歳にさかのぼって受給するための請求)をしても、老齢基礎年金は全額受給できるものの、老齢厚生年金は全額はもらえない(経過的加算部分しかもらえない人も多い)
 

老齢厚生年金を65歳から全額受給したい社長だけでなく、老齢厚生年金を繰り下げて「繰下げ月数×0.7%」増やすつもりで待機中の社長にも、老齢厚生年金(報酬比例部分)の増額率に乗じる「平均支給率」(厚生年金保険法施行令第3条の521項)が1を下回らないようにするために、老齢厚生年金の受給権取得月の翌月から繰下げ申出月までの各月において老齢厚生年金(報酬比例部分)が支給停止とならないように、本来であれば、遅くとも65歳到達月の前月支給分からは報酬月額を下げておくべきです。
ところが、現実には、報酬月額を下げないまま老齢厚生年金を繰下げ待機している社長・役員も多くいます。


繰下げ待機している人の役員給与が、繰下げしなかったとしたら老齢厚生年金(報酬比例部分)の全部または一部が支給停止となるような設定となっていることを知った場合は、繰下げ増額効果の減少を少しでも防ぎたいのであれば、次回定時株主総会等で老齢厚生年金(報酬比例部分)が支給停止とならないような役員給与設定に変更する必要があります。
 

老齢厚生年金の繰下げ待機と役員退職慰労金制度

社長・役員が報酬月額を引き下げて老齢厚生年金を受給していたり、老齢厚生年金を将来繰下げ申出するために報酬月額を引き下げておいて繰下げ待機している場合において、その会社の役員退職金規程で次のように、最終報酬月額が退職金の額に影響するタイプの算定基準(功績倍率法)が定められているケースがよくあります。


・役員退職金額=在任中の最終報酬月額×在任年数×役位別倍率
 

この場合、在職中の老齢厚生年金受給効果や老齢厚生年金の繰下げによる報酬比例部分増額効果を生じさせるために報酬月額を引き下げたとしても、役員退職金規程に基づいて支給できる役員退職金の額が少なくなるのを防ぐために、退職前35年度は報酬月額を下げたままにしておかないで元の報酬月額に引き上げてから退職した方がよい、とのアドバイスが税理士・FP等からなされることもよくあります。
 

引上げ後の報酬月額や、引上げ後の最終報酬月額に基づいて算定・支給した役員退職金の額が税務調査で税務上過大だと指摘されない限り、そのようなアドバイスは税務上は特に問題ありません。
 

しかし、本人が老齢厚生年金の繰下げ申出を予定しており、繰下げ増額効果を生じさせるために報酬月額を引き下げている場合は、退職前に報酬月額を引き上げることによって、老齢厚生年金(報酬比例部分)の増額率に乗じる「平均支給率」が下がると、繰下げ増額効果が減ってしまいます。

このことについて気づいている社長はほとんどいませんので、注意が必要です。
 

以下の1についてのみ見込試算を行なって、役員退職金支給額増額のために報酬月額を引き上げる事例が見られますが、老齢厚生年金の繰下げ申出を予定している場合は、以下の2についても見込試算をした上で、社長の経営判断として報酬月額を引き上げるかどうかを判断することが望ましいでしょう。

1.報酬月額を元の水準まで引き上げることによって、役員退職金額(税務上適正な額)として会社が支給できる額がいくら増えるか。本人の役員退職金手取り額がいくら増えるか。

2.報酬月額を元の水準まで引き上げることによって、本人の希望する月まで老齢厚生年金を繰下げた場合に、繰下げ増額効果がいくら減るか
 

2についての見込試算を行うためには、65歳時の老齢厚生年金の内訳金額を確認した上で、老齢厚生年金を何歳何か月まで繰り下げる予定か、いつまで厚生年金保険の被保険者(70歳以降は70歳以上被用者)となるべき働き方をする予定かを検討する必要があります。

 

●事業承継の遅れと繰下げ待機

前述の通り昭和2742日以後生まれの人は最高75歳まで繰下げ可能となります。

中小オーナー企業の事業承継の遅れが社会問題化している中、報酬月額を引き下げた状態で老齢厚生年金を繰り下げ待機の状態で働いている社長が、(場合によっては退職時期を75歳頃まで遅らせて)報酬月額を引き上げて数年働き続けた後に退職し、最終報酬月額を用いた功績倍率法に基づく役員退職金を受給しようとする事例が今後は増える可能性もありますので、注意が必要です。

 

(ポイント)

●老齢厚生年金を繰り下げ待機している社長・役員は、役員給与設定に注意が必要

●退職前の報酬月額を上げることにより、繰下げ申出月までの老齢厚生年金(報酬比例部分)の平均支給率が下がると、老齢厚生年金の繰下げ増額効果が減ることにも注意

 

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