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役員退職金支給によるメリットとリスク

役員退職金を支給することによる会社および受給者本人のメリットとは

(2020年10月7日)
役員退職金を支給することによる会社にとってのメリット、受給者本人にとってのメリットは何でしょうか。


この点については、書籍「[社長の裏技]年金をもらって会社にお金を残す」でも解説していますので、ポイントのみ次にまとめておきます。


(1)会社にとってのメリット
役員退職金は、法人税法上原則として損金算入が認められるため、法人税等の節税につながります。自社株の評価減にもつながります。


(2)本人にとってのメリット
役員退職金として受けると、給与所得(や雑所得・一時所得)として受ける場合と比べて、所得税等が少なくなります。
したがって、退職後の生活費などの準備に充てられる金額が大きくなります。

節税可能な理由は、次の通りです。

ア)退職所得控除額が大きい
  ・勤続年数が20年以下の場合:40万円×勤続年数
  ・勤続年数が20年超の場合:800万円+70万円×(勤続年数-20万円)

   (注)勤続年数の1年未満は切り上げ

イ)役員勤続年数が5年超の場合、「退職金の額-退職所得控除額」×2分の1が退職所得の金額となる


ウ)他の所得と分離して課税される


なお、退職後(厚生年金保険被保険者資格喪失後)に受け取るものであるため、健康保険法・厚生年金保険法の報酬・賞与に該当しません。


したがって、社会保険料(会社負担分および本人負担分)はかかりませんし、在職老齢年金制度による年金支給停止にも影響しません。


 

退職所得控除額の見直し論議について

(2023年6月12日追記)


令和5年4月12日に開催された新しい資本主義実現会議(議長・岸田首相)第16回で示された「三位一体労働市場改革の論点案」では、次の4点が柱として掲げられ
ていました。


1.リ・スキリングによる能力向上支援
2.個々の企業の実態に応じた職務給の導入
3.成長分野への労働移動の円滑化
4.多様性の尊重と格差の是正
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai16/shiryou1.pdf


いずれも労働者(従業員)や労働者を雇用する企業への影響が生じる可能性のあるものですが、なかでも、「3.成長分野への労働移動の円滑化」において、次の記述がある点が注目されています。


(2)退職所得課税制度の見直し

○ 退職所得課税については、勤続20年を境に、勤続1年あたりの控除額が40万円から70万円に増額されるところ、これが自らの選択による労働移動の円滑化を阻害している
との指摘がある。制度変更に伴う影響に留意しつつ、本税制の見直しを行ってはどうか。


当会議の各委員提出資料にも、次のような意見が記載されていました。

・控除額は勤続年数に関係なく一定額とすべき 

・退職所得課税については、長期勤続年数のほうが有利になる制度を、経過措置を考慮しつつも、早急に見直すこと

・退職金は、賃金の後払いと長年の勤労に対する報償的給与としての性格を踏まえ、退職所得控除や分離課税などが講じられている。退職所得課税を見直すのであれば、この点に配慮しつつ、勤続1年あたりの控除額を一律(年60万円)とすべきである。


雇用の流動化の促進・労働移動の円滑化という観点から、退職所得課税における長期勤続者優遇制度を見直すべきだ、という意見は以前からも出されていました。


今回も新しい資本主義実現会議で同様の観点から論点として取り上げらたわけですが、
もし、このような観点から退職所得控除額の計算方法が見直されることとなり、

そして、それが従業員への退職金だけでなく社長・役員への役員退職金支給時の退職所得控除額計算にも影響することとなるとしたら(注)、

長年経営に従事して来て、将来役員退職金受給を予定されている社長・役員の皆様方にとってはつらいものがありますよね。


(注)現行の退職所得控除額の計算方法は、従業員退職金であっても役員退職金であっても同様です。
(参考:国税庁ホームページ)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm


 

もし改正が行われるとしたら、令和6年以降の税制改正で行われるわけですが、その前に、6月中に決定する経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)において、労働市場改革の全体像が指針として示される予定とのことです。
 

令和5年6月7日付けの「経済財政運営と改革の基本方針 2023(仮称)(原案)」では、「成長分野への労働移動の円滑化」という文脈の中で、
失業給付制度において、失業給付の申請前にリ・スキリングに取り組んでいた場合などについて会社都合の離職の場合と同じ扱いにすることなどとともに、

「自己都合退職の場合の退職金の減額といった労働慣行の見直しに向けた「モデル就業規則」の改正や退職所得課税制度の見直しを行う」とされました。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/0607/shiryo_01.pdf




仮に勤続年数20年超の場合の退職所得控除額が現行制度よりも少なくなるような改正が将来行われることとなるとしたら、
・改正施行日はいつになるのか
・すでに勤続年数が長い人にも改正後の内容が適用されることとなるのか(何らかの経過措置が設けられるのか)
などについても気になるところです。


今後の成行が注目されます。

 

役員退職金について中小企業オーナー社長が知っておくべき3つのリスクとは

役員退職金について中小企業オーナー社長が知っておくべき主なリスクは次の3つです。


(1)過大退職金の問題
(2)死亡退職金と弔慰金の問題
(3)分掌変更時の退職金の問題


これらは、それぞれ、とても重要です。


年金復活プラン役員報酬最適化と役員退職金・弔慰金について相談を受ける際に、経営者の方が混乱されていると感じることが多いのも、これら3つに関することです。


これら3つについて、何が問題となるのかを正確におさえていれば、自社の場合はどうすべきかを落ち着いて考えることができるようになります。


今後、一つずつポイントを解説していきたいと思います。

 

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